クルマのナンバープレートには、登録された地域の「地名」が記載されていますが、字形はその地名によって微妙に異なります。なぜ全国で共通の字形が使われないのでしょうか。

ナンバープレートは見た目のバランスが重視される!?

 公道を走行するクルマには、必ずナンバープレートが装着されます。

 ナンバープレートにはその車両が登録されている「地名」(使用の本拠の位置)が記載されていますが、使用されている字の形はその地名によって微妙に異なります。

 本来であれば細かな規定がありそうなものですが、なぜ字形が全国共通ではなくさまざまなに存在するのでしょうか。

 ナンバープレートは、道路運送車両法第19条に規定された登録車両の番号を表記したもので、車両の区分によって現在は5種類あります。

 まず、我々一般ドライバーの普通車・軽自動車に付いているのは「自動車登録番号標」といい、330×165mmサイズの「中型標板」と呼ばれるプレートが採用されています。

 また、自動二輪は「車両番号標」と名称が変わり、プレートもひと回り小さく、230×125mmのサイズです。

 そのほか、4t以上の大型車は440×220mmの「大型標板」、原付〜小型二輪(50〜125cc)は「標識」と呼ばれ、上部の角が落とされた台形タイプ(200×100mm)と、通常の長方形タイプ(170×100mm)があります。大中小の「標板」は国土交通省、125cc以下の「標識」は地方自治体の管轄です。

 さらには、文字のサイズも文字数によって規定されています。普通車の中型標板は、表記地名が1〜2文字だと40×40mm、3文字だと40×30mm、地名に入る小さな「ヶ」は33×28mm、4文字(尾張小牧、伊勢志摩)は40×27mmと規定されています。

 使われるひらがなは40×40mm、分類番号は1〜2桁の場合40×30mm、一般的な3桁だと40×27mmですが、地名が4文字だと40×23mmになります。

 ナンバーを構成する4桁の数字(一連指定番号)にもサイズ規定があり、80×40mm。途中の「-(ハイフン)」は12×20mm、3桁以下で使用される「・(点)」は直径12mmです。

 このように、サイズに関してはかなり厳格に規定が設けられているのですが、地名に用いられる文字に関しては、正式な字形やフォントも公表されておらず、微妙に違いが生じているようです。

 その疑問を、ナンバープレートに関する事案を取りまとめる一般社団法人全国自動車標板協議会にぶつけてみたところ、「地域名として文字を並べたときのバランスで決めていることから、微妙な字形の違いや大きさにも違いが出ている」という回答でした。

 ナンバープレートの交付は各地域の陸運局が担っていますが、現状では字形に関する統一規格はないといいます。

 ちなみに、大都市の地名に使われている文字に似たフォントを各地域の陸運局が独自で判断し採用するケースが慣例になっており、現在に至るといった説もあるようです。

味わい深い地名の字形 かわいい文字が人気!?

 そんなナンバープレートの字形ですが、最近一部のファンの間でちょっとした話題になっているのがその見た目です。

 有名なところでは、「滋賀」ナンバーはまるで象形文字のようで「屋根のある場所で人が祈っているように見える」や「ゲジゲジしている」「滋賀の賀の下の払いの出ているところが秀逸」などと盛り上がっているようです。

 また、奈良県のご当地ナンバーである「飛鳥」ナンバーは、「鳥」の下の点部分がデザインセンスを感じさせると好評です。

 ほかにも、「山形」ナンバーも分かりやすい形状が魅力的。「山」の字は完全なシンメトリー(左右対称)だし、「形」はまるで鳥居と漢数字の三を組み合わせたような仕上がりです。山岳信仰の多い日本ならではのありがたさも感じさせます。

 そして、シンメトリーという部分で最強なのは「青森」です。何せ全体がシンメトリー。文字の太さの違いなども絶妙なかわいさがあるのだとか。

 おもしろいのは、同じ漢字を使っていても別の地名だと文字の形状も違うこと。たとえば「岡山」と「岡崎」の「岡」は字形が微妙に違いますが、これも全体のバランスによって変わってくるようです。

 この地名の字形で人気になるポイントは2つ。「シンメトリー感」と、どこかキュートさがある「デフォルメ感」があるかどうかのようです。

 しかも書体も単なるゴシック系かと思ったら、地名によっては1画のなかで微妙に太さを変化させていたりするなど、よく見るとなかなか奥深いものがあります。