日本市場向けに販売されているダイハツの軽自動車「タント」。日本市場で販売されていることから右ハンドル仕様となっていのが普通ですが、なかには左ハンドル仕様が存在するといいます。

「タント」の左ハンドル仕様とは

 日本で販売されているクルマは、一部の輸入車を除けば基本的に右ハンドル仕様となっています。
 
 そうしたなかで、SNSでは左ハンドル仕様のダイハツの軽自動車「タント」が話題となっています。いったいどのような福祉車両なのでしょうか。

 近年ではさまざまな顧客のニーズに対応するよう、市販車をキャンピングカーや福祉車両などにカスタムして販売している企業が増えています。

 そのなかでも、タントを左ハンドル仕様にした福祉車両を開発している企業も存在。

 話題となった投稿には、「超いいね!」「左ハンドルすご!」「路肩に停めるのが安全そう」というように、タントの左ハンドル仕様の物珍しさに、驚く声が多く挙げられています。

 なぜタントが左ハンドル仕様になっているのでしょうか。

 このタントを開発したのは、さまざまなクルマを左ハンドル仕様に改造し、福祉車両として販売をおこなっているワイズコーポレーションです。

 ワイズコーポレーションの担当者は、左ハンドル仕様に改造する背景について、次のように話します。

「かつてレース事業などに力を入れている際、台湾のレース企業から自動車のカスタム、調整の依頼があり当社にてお受けさせていただきました。

 その後、右ハンドル仕様のみの車両を台湾で使用するために左ハンドル仕様にできないかとの打診がありました。

 その際に、安請け合いでOKと答えたことがすべての始まりです」

 このようなちょっとしたきっかけから、左ハンドル仕様のクルマを制作するようになり、日本の道路事情として歩道側から安全に乗り降りができるという観点からも福祉車両として販売するようになったといいます。

 左ハンドル仕様の福祉向け車両は、ハンドルが左側に取り付けられているという点だけでなく、ペダル、ダッシュボード、エアコンシステムなど、あらゆる部分を右ハンドル仕様から左ハンドル仕様へ改造しています。

 福祉車両としては、「回転昇降シート」や「車椅子収納リフト」、両足が不自由な場合でも、手動レバーの前後操作でアクセル・ブレーキの操作をおこなうことができる「フロア式手動運転装置」なども搭載されています。

 前出の担当者は、これらの左ハンドル仕様の車両の反響について「ありがたいことにすごく喜んでいただいています」といいます。

 続けて、今後の取り組みについて「左ハンドル化だけではなく当社の技術とノウハウを発揮して、さらにすべての人と環境に優しい、それぞれの環境に合わせたライフスタイルカスタムを拡大させていきたいと考えています」と話します。

※ ※ ※

 実際にこれまでには、国内外問わず、個人の趣味趣向にそったオーダーメイド車両から、消防車や救急車、ゴミ収集車、献血バスといった車両の製作事例もあるようです。

 また、歩道側から降りてすぐ荷物を下ろすことができるという左ハンドル仕様のメリットを活かして、事業者向けの特殊車両やNEXCO中日本・西日本での高速道路でのロードサービス用車両カスタム、自動車教習所の左右ハンドル化車両のカスタムなどの制作もおこなっています。

 これら左ハンドル仕様の福祉車両や特殊車両は、すべて強度基準・安全基準を満たして公認車検を取得することができるといいます。