身のクルマが知らないうちに傷つけられていたという経験をしたことがある人もいるかもしれません。理由はさまざま挙げられますが、なかには意外な動物による被害の場合もあるといいます。

正体は…カラス!? 実際にあった被害の事例とは

 自身の愛車が、「知らないうちに傷つけられていた」という経験をしたことがある人はいるかもしれません。
 
 クルマに傷がつくのは、人為的に傷つけられる場合や、クルマを走らせている際に飛び石によって傷つく場合などさまざまですが、なかには意外な動物によって傷つけられる可能性もあります。実際にどういった事例があるのでしょうか。

 ある日突然、所有車のワイパーのゴムが剥がされていたり、窓のゴムパッキンが傷つけられていたという経験をしたことがある人もいるかもしれません。

 クルマの傷は人為的である場合など理由はさまざまですが、なかには「カラス」の仕業で、巣作りや遊びのためにクルマが傷つけられるケースがあるといいます。

 実際にあったカラスによる被害の事例について、元警察官Bさんは以下のように話します。

「住民から『クルマのワイパーが傷つけられている』という通報が多数あり、器物損壊容疑事件として被害届を受理したり、実況見分などをおこないました。

 実際に張り込み捜査や防犯カメラ捜査をおこなった際、防犯カメラにカラスがワイパーをつついている様子が映っていたため、カラスの仕業だと判断しています。

 その時は住民の人にカラスが犯人だったということを説明して、理解していただきました」

 このほか、過去2015年には島根県松江市でクルマのワイパーのゴムが連続して壊される被害があり、警察が器物損壊事案として防犯カメラを設置したところ、カラスの仕業だったことが判明するできごともありました。

 こうしたカラスがクルマを狙うのには「巣作り」が要因のひとつとして挙げられます。

 多摩市役所のホームページによると、毎年3月下旬から7月中旬頃まではカラスの繁殖期であり、3月中旬から4月頃にかけて巣作りを始めます。

 カラスの巣の材料としては、小枝、ポリエチレンのひも、針金のハンガーなどを使用するとされており、人間が使っている道具を活用して巣作りをおこなうこともあります。

 環境省の「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」によると、巣の中心、カラスの卵が置かれる場所には、布、園芸や農業などに使われるシュロ縄、ビニールなど柔らかい素材を敷き詰める習性があるようです。

 このように、柔らかい素材で巣作りをおこなうため、クルマのワイパーのほか、窓のゴムパッキンなどを巣作りに適している素材と認識し、引きちぎって材料のひとつに使用していると考えられるでしょう。

 また、カラスは光るものを集める習性があるともいわれており、光るクルマのボディーに興味を持ち、傷を付ける可能性もあるのです。

 では、クルマがカラスの被害に遭わないためにどのような対策をしたら良いのでしょうか。

 まず、クルマをカラスから物理的に遮断してしまうという方法が有効的な方法のひとつです。

 傷つけられないようにクルマ用カバーなどでクルマを覆うことで、ワイパーやクルマのボディに対して傷をつけられる可能性が低くなるといえます。

 ワイパー自体に布を巻いておくなどの対策をしても良いでしょう。

 そもそもカラスを自宅やクルマの駐車場などに近づけない根本的な対策としては、カラスが家の近くに来ても餌付けをしない、生ゴミやペットのエサなどを食べさせないようにすることも重要です。

 外で飼育しているペットの余ったエサを狙いに来るカラスもおり、餌付けをしているつもりがなくても間接的にカラスにエサが渡ってしまっている可能性があるので注意しましょう。

 またカラスは主に視覚でえさを探す傾向にあり、とくに赤っぽいものや濡れたものを狙う傾向にあります。

 これは赤いものは肉、濡れたものは魚の肉など、高タンパク質の栄養価の高い食べ物に出会う確率が高い目印となっていることが理由に挙げられます。

 このためゴミを出す際には、生ゴミだけを新聞紙や紙袋などで包み、外から見えなくすることも効果的といえます。

 ゴミを入れる専用のボックスが備え付けられている場合にはボックスに収まるようにゴミを入れる、防鳥ネットがある場合には必ず使用するなどの対策をとりましょう。

 とくに網目が細かいネットを利用すると、カラスがつつきにくくゴミの散乱防止対策として有効です。

 そのほか、カラスには日の出の30分前くらいから活動を始めるという習性もあり、夜間にゴミ出しをすると、カラスに狙われる確率が上がってしまいます。

 ゴミを朝の時間帯に出すことも、カラスを近づけないためには重要といえるでしょう。

 クルマがカラスの被害にあった際の対策について、元警察官Bさんは以下のように話します。

「カラスによってクルマを傷つけられた場合には、警察で事件として取り扱うことはできず、相手が動物であるため修理を求めることもできません。

 そのため、カラスが多い地域などでは事前にクルマを守る対策をとることが必要になってきます。

 繁殖期はとくにカラスへの注意を払うことが大切です」

※ ※ ※

 クルマが傷つけられた場合、人為的なもののほかカラスなど野生動物の仕業である可能性があります。

 クルマに傷がついている場合は警察に相談するほか、動物が原因であることが疑われる場合には、専用カバーの取り付け、野生動物を近づけない取り組みなどを検討してみましょう。