世界的な半導体不足による部品不足などから、新車の納期が遅延したり、未定になってしまっているケースが続いています。では、新車が欲しいユーザーはどうすればよいのでしょうか。

新車が欲しい! でも納車は相当先になる?

 近年、国内の新車市場では長納期化が問題となっています。その理由として、世界的な半導体不足による部品供給に目処がたたないといったものが挙げられます。
 
 しかし、なかにはどうしても新車が欲しいユーザーもいますが、ギリギリ年内の納車に間に合わせることはできるのでしょうか。実際に各販売店スタッフに聞いてみました。

 今回は2022年12月2日に国産ブランドのうち、トヨタ、レクサス、日産、マツダ、ホンダ、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱の各販売店9店舗に問い合わせし、各ブランドで販売しているクルマの納期について聞いてみました。

 トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「今までのように新車を注文して1〜2か月で納車されることはありません。在庫車や展示車であれば用意できるクルマもわずかにありますが、これらもかなり少なくなっています。

 これは全国のトヨタディーラーであればどこでも同じ状況で、他メーカーさんも同様なのではないでしょうか。年内の納車は厳しそうです。SUVの『ハリアー』は長いケースだと2024年の納車を予定しています」

 レクサスの販売店スタッフは、以下のように話します。

「用意できるのは中古車しかありません。しかも中古車も各店舗で『取り合い』になってしまっているのが現状で、在庫車や展示車もお客さまへ提供できるクルマはないのが現状です。現在、レクサスでは全国で全車種受注を停止しています。これは注文書を交わすことができないという意味で、新車を買うこと自体ができません」

 レクサスの公式サイト上では、工場出荷目処がすべての車種で「詳しくは販売店にお問い合わせください」となっており、事態は想像以上に深刻なようです。

 また、日産の販売店スタッフは「年内はどの車種も厳しいです」と回答します。

 新車の注文自体の可否については、「『エクストレイル』『ノート』『ノート オーラ』『デイズ』『ルークス』は注文できます」とのことで、日産も新車の受注は一部の車種に限られている状態でした。

 では、マツダはどうなのでしょうか。販売店スタッフは以下のように話します。

「マツダ車はどの車種もご注文からおよそ4か月後のご納車を予定しています。

 新車の注文自体はどの車種でも受け付けていますが、お待ちいただくことになっています。

 比較的早い『CX-30』『CX-60』でも今すぐのご注文で、1月末から2月ごろの納車予定です」

 年内に間に合うクルマの有無については、「いわゆる在庫車もありはしますが、車庫証明などの書類の取得などを考えると、3週間程度かかってしまうので、年内はなんともいえない状態です」といいます。

 実際にユーザーの手元に納車されるには、工場で生産されて終わりでなく、ユーザーの名義で登録する、つまりナンバープレートを装着し、車検証が交付されている必要があります。

 そのためには、ユーザーは車庫証明や印鑑証明書といった書類を取得し、管轄の陸運局へ車両を持ち込んで新規登録することが必要です。

 陸運局は毎年、登録作業などで年末に駆け込む販売店や整備工場が多く、かなりの混雑が見られますが、万が一の書類トラブルなども加味すると、年内はギリギリだというのがマツダの販売店スタッフの考えです。

 このように、トヨタ、レクサス、日産、マツダで新車を納車するのは難しいという回答でした。

2022年の年内納車は無理? 意外な選択肢も

 では、このほかホンダ、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱はどうなのでしょうか。

 ホンダの販売店スタッフは以下のように話します。

「弊社では、新車の『即納車』という形で『フリード』『N-BOX』『フィット』でボディカラーとオプションがお客さまのご希望と合えば、ギリギリ用意できるかもしれません」

 スタッフの「ボディカラーとオプションが合えば」という説明から予想すると、つまり新車の「在庫車」なら納車できるかもしれないという意味です。

 いくつか人気の仕様を絞って生産し在庫しておくという方法により、ユーザーの希望する仕様とこの在庫車がマッチして購入となれば、そのクルマを早目に納車できる、という方法をとっているようです。

 ホンダでは「在庫車」という表現は使っておりませんが、三菱、スズキ、ダイハツの各販売店スタッフは「在庫車」という言葉を使い、同様の回答でした。

 三菱の販売店スタッフは、「弊社であれば、年内に間に合いそうなクルマは『eKワゴン』『タウンボックス』『ミラージュ』『エクリプスクロス』があります。

 これらは工場でストックしているクルマなので正真正銘の新車です」

 さらに、三菱の販売店スタッフは以下のように続けます。

「在庫車なのでグレードやボディカラーは絞られてきます。また、弊社は1都8県を網羅する販売店ネットワークなので、どうしても『早いもの勝ち』になってしまう現状があります。

 現在、三菱はどの車種も他メーカーさんと比べて短い、2か月から3か月ほどの納期で納車が可能となっています」

 三菱では比較的多くのクルマをストックしており、バリエーションも豊富となっていますが、とはいえ一部の車種では納期が長くなっていることは変わらないと話します。

 スバルの販売店スタッフは「新車をご注文頂いてから概ね2〜3か月お待ちいただくのが現状です。在庫車と展示車は少なく、取り合いになってしまいますが、『フォレスター』『アウトバック』『レヴォーグ』は何台か在庫車があります」

 また、マツダと同様にスバルの販売店スタッフも「書類のやり取りが発生しますので、100%間に合うかというのはなんともいえないところです」といい、まずはクルマ自体の確保を急ぐ必要がありそうです。

 スズキやダイハツはどうなのでしょうか。スズキの販売店スタッフはこのように話します。

「年内納車ができそうなのは『ワゴンRスマイル』と、こちらは商用車なのですが『スペーシアベース』です。弊社ではどの車種も3〜4か月ほどかかりますね」

 ここで、ダイハツにも聞いてみましたが、販売店スタッフは少し興味深いことを話しました。

「工場の完成予定車が何台かあり、これらが在庫車になりえる可能性があります。

 現状では『ムーヴ』『ミライース』がありますが、台数は少ないです。すでに在庫としてある車種はこの2車種に加え、『ムーヴカスタム』があります」

 ホンダと同様に在庫車としての新車生産をおこなっているようですが、事前に各販売店へと「完成予定車」の情報を伝えておくことで、ユーザーからすると納期未定にはならず、新車の購入が容易になるといえそうです。

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 各ブランドともに継続する半導体不足などによって新車の納車はおろか、一部では受注すら停止しているという厳しい現状に直面しています。

 これまで、ユーザーが販売店でボディカラーやオプションなどにこだわった新車を注文しても、およそ1〜2か月程度で納車されるのが当たり前でしたが、現在では多くの車種で数ヶ月待ちが平均で、なかには注文から1年以上待たないと納車されないケースもあるようです。

 そんななかで、どうしても新車が欲しいユーザーは、「在庫車」や「展示車」という選択肢は有効で、数ヶ月待つよりもかなり早い納期で新車を手にすることができます。

 一部販売店では年内納車も可能と捉えられる車種も用意しており、書類や支払いなどの手続きをスムーズにおこなえれば、新車で新年を迎えることも夢ではなさそうです。

 なお、地域の販売店の状況によっても異なり、今回取材した販売店でも状況が変わっていることがあるので事前に確認し、気に入ったものがあれば早めに手を打つことが賢明です。