高速道路の料金所を通るとき、一般レーンでETCカードを手渡しして通行料金を支払うことはできるのでしょうか。

ETCカードを手渡しして支払いできる?

 ETC車で高速道路の料金所を通過する際はETCレーンを通りますが、一般レーンでETCカードを使って通行料金を支払うことはできるのでしょうか。

 高速道路の通行料金は、現金やクレジットカードのほか、ETCカードで支払えます。

 料金所ではレーンが別になっており、基本的には、現金やクレジットカードは「一般レーン」、ETCカードは「ETCレーン」に進む必要がありますが、では、一般レーンに入りETCカードで料金を支払うことはできるのでしょうか。

 そもそもETCとは、料金所で停止することなく料金を支払うための自動料金収受システムです。ETCレーンではクルマをいったん停止して料金を受け渡しする必要がないため、料金所の処理能力が向上して渋滞を大幅に軽減できるメリットがあります。

 ETCは、クルマに搭載した車載器と料金所のアンテナが無線通信する仕組みです。無線通信によって通行情報を更新することで、自動的に料金を割り出して支払いが行われます。ETCレーン走行時は20km/h以下まで減速し、万が一の際に安全に停止できる状態でなければなりません。

 ETCの基本料金は、利用距離や車種区分で決まります。計算式は次のとおりです。

(利用距離×車種区分ごとの1kmあたりの料金+150円)×消費税率

 端数は四捨五入して10円単位になります。1kmあたりの料金は車種ごとに異なり、会社や路線によっても異なります。

 NEXCO各社の1kmあたりの普通車料金は24.6円ですが、東京・大阪の大都市近郊区間は29.52円で、さらに一部の特定区間で別の金額が設定されている場合があります。

 また、長距離利用に対しては、100km超から200km部分は25%引き、200km超は30%引きとされます。

 首都高の場合、普通車は1kmあたり29.52円ですが、上限1950円、下限300円の料金も設定されています。

無線通信せずに支払うケースとは

 このように設定されている通行料金をETCで支払う場合は車載器が必要ですが、ETCのカードだけで料金を支払うことはできるのでしょうか。

 結論からいうと、ETCカードだけでも料金を支払うことはできます。ETCカードのみで支払うケースとしては、車載器を持っていない場合や、途中で車載器が故障した場合が想定されます。それぞれ、どのような扱いになるのか見ていきます。

●車載器を持っていない場合

 もそもそ車載器がなく、ETCカードだけ持っている人もいるでしょう。ETCカードだけで支払う場合、流入ICの一般レーンで通行券を取得し、流出ICの一般レーンで係員に通行券とETCカードを渡すと、ETCカードだけでも料金を支払うことができます。

●途中で車載器が故障した場合

 車載器を持っていても、ETCレーンを通って高速道路に走った後に故障してしまうことも場合によっては考えられます。

 その場合は通行券を持っていないことになりますが、流入ICで無線通信を行っていて出発ICが分かるため、ETCカードのみでの料金支払いが可能です。

※ ※ ※

 高速道路のETC料金は、時間帯や休日などの割引が用意されていますが、それらは基本的に無線走行が条件です。

 ETCカードを手渡しして支払う場合はそれらの割引が適用されないので注意しましょう。

 また、無線通行ができない状態でETCレーンに進入した場合は、自身の判断でバックやUターンをせず、設置されているインターホンで係員と連絡を取って、指示を仰ぐようにしましょう。