激しく渋滞する高速道路と迂回路となる一般道では、どちらが早く目的地へ向かえるのでしょうか。GW後半の中央道や東名高速などの走行実績をもとにした分析が発表されました。

激混み高速か、下道か

 大渋滞の高速道路を進むべきか、それとも「急がば回れ」で一般道を走るべきか――。

 行楽シーズンにクルマを走らせたことのあれば、誰もが一度はこのように迷った経験があるはずです。ならば、今年のゴールデンウィーク(GW)は実際どうだったのでしょうか。

 ナビタイムジャパンは2023年5月22日、一般道の「抜け道ランキング」を発表しました。

 これは、2023年GW後半の5月3日から7日までの、ナビタイムジャパンが提供しているカーナビアプリのプローブ情報(走行実績)を分析し、高速道路をそのまま走行した場合と、高速道路を一度降りて一般道を走った場合を比較し、短縮できた時間順に並べたものです。

 ランキング1位から5位までの結果は次のとおり(高速道路の区間はICまたはスマートICを記載)。

●2023年GW「抜け道」ランキング
・1位:【100分短縮】5日18時頃、高速:中央道大月→圏央道相模原195分/一般道:山梨県道35号経由95分
・2位:【98分短縮】5日15時頃、高速:東名駒門→新東名新秦野202分/一般道:静岡県道78号経由104分
・3位:【91分短縮】4日18時頃、高速:中央道大月→上野原163分/一般道:国道20号経由72分
・4位:【88分短縮】5日14時頃、高速:東名足柄→大井松田131分/一般道:国道246号経由43分
・5位:【83分短縮】4日19時頃、高速:中央道大月→上野原163分/一般道:国道20号経由80分

 1位の一般道は、山梨県道・神奈川県道35号四日市場上野原線などを通るルートです。中央道や国道20号より南側の山あいを走ります。

 2位の一般道は、静岡県道・神奈川県道78号御殿場大井線などを通るルートです。御殿場市街から足柄峠を越えて山を下り、途中の大井松田ICではなく新東名の新秦野ICから高速に復帰します。

 なお、中央道上りの渋滞を避けるため、勝沼ICから八王子ICまで国道411号(青梅街道)経由で大きく迂回したら、どうだったのでしょうか。

 5月5日18時頃の場合、所要時間は中央道・勝沼IC→八王子ICの221分に対し、国道411号経由は159分だったといいます。

 走行距離は中央道の約64kmに対して国道411号経由は約99kmで、その差はおよそ1.5倍。このように迂回ルートとしては長くなっていますが、それでも62分短縮できていたことが分かりました。

 ナビタイムジャパンは「カーナビ利用者の走行実績を分析することで、渋滞の少ない抜け道を利用した移動による渋滞回避など、快適な移動の参考になれば」としています。