安房地域広域農道東部線の西端区間が、2023年度上半期に開通する見込みです。貴重な東西方向の道路として、国道127号と県道185号を結びます。

国道127号に接続

 千葉県南房総市で建設が進む安房地域広域農道東部線(広域営農団地整備事業安房地区)の一部区間が、2023年度上半期までに開通する見込みです。

 南房総市では数の少ない東西方向の道路ですが、どのような計画なのでしょうか。

 安房地域広域農道は千葉県の房総半島南部を走る道路です。地域で生産された農作物や畜産物を安定して輸送できるよう、県が農林水産省の補助を受けて整備を進めています。

 農道は、このように農業や畜産業の振興を目的に造られていますが、一般のクルマも通行が可能です。

 安房地域広域農道は、東西に走る東部線と南北に走る南部線に分かれます。

 このうち南部線は「安房グリーンライン」という名称で2010年に全線開通しており、富津館山道路の終点である富浦ICから半島南端の南房総市白浜へ向かう際の主要ルートにもなっています。

 一方、東部線は整備が続いています。道路は、南房総市から鴨川市までの全長29.8kmを、車道幅員6m、2車線で結ぶ計画です。

 このうち2023年度上半期に開通する見込みなのは、西端にあたる南房総市富浦町南無谷から同・富浦町大津までの約4km区間です。

 国道127号から分かれてJR内房線をくぐり、富津館山道路と交差し、すでに開通している区間もなぞりながら、県道185号犬掛館山線の道の駅おおつの里付近に至ります。

 途中には、2003年竣工の豊岡トンネルや1999年竣工の丹生トンネルなどがありますが、これらは20年以上が経過してようやく正式な開通を迎えることになります。

 なお、県道185号から先も造りかけの道路や完成済みのトンネルがありますが、用地買収の難航により全線開通の見通しは立っていません。