北海道で最も長い道路トンネルとなる「オオヌマトンネル」の工事が進んでいます。どのような計画なのでしょうか。

大沼公園ICから先の区間で建設中

 北海道で、長さ約7kmにおよぶ「オオヌマトンネル」の工事が進んでいます。

 完成すれば道路トンネルとしては道内最長となりますが、どのような計画なのでしょうか。

 オオヌマトンネルは、北海道縦貫自動車道(道縦貫道)のトンネルとして整備されます。

 道縦貫道は北海道の函館市を起点とし、室蘭市、札幌市、旭川市、士別市、名寄市などを経由して稚内市に至る延長約681kmの高規格道路です。現在その一部は道央道や名寄美深道路などとして開通しています。

 函館〜札幌間は大半が道央道として開通していますが、函館新道から道央道までの区間だけ途切れており、国道5号を経由する必要があります。現在はこの途切れた区間のうち、七飯IC(仮称)〜大沼公園IC間10.0kmで道路の建設が進んでいますが、このうち約7kmを占めるのが、オオヌマトンネルです。

 道路は国土交通省北海道開発局が主体となって2005年度に事業化、2015年度に工事着手。道路の幅は12.0m(トンネル部は9.5m)で、設計速度100km/h、暫定2車線で整備される計画です。

 そのうちオオヌマトンネルは、蓴菜(じゅんさい)沼や、観光地としても知られる大沼・小沼などの湖沼の近くに位置し、さらに地盤の悪い木地挽(きじひき)山を貫通します。

 延長は約7kmと長く難工事も予想されるため、本坑に先行して、火災などの災害時に使う避難坑の掘削が2017年度から始まっており、2025年までに開通する計画です。

 そして本坑は、避難坑の掘削結果を踏まえて着手される予定でしたが、避難坑の工事が順調に進んでいることから2022年度にも工事に着手されており、並行して掘削することで早期の開通を目指す方針です。

 このトンネルが開通すると、道内の道路トンネルとしては国道336号(黄金道路)の「えりも黄金トンネル」(延長4941m、えりも町)を抜いて1位となります。