トヨタ「クラウン クロスオーバー」最安モデルは唯一450万円を切る価格設定です。どのようなグレードなのでしょうか。

必要にして十分の「簡素グレード」は意外にもフォーマル

 2022年9月に発売されたトヨタ新型「クラウン」。歴代では初となるグローバルモデルとなり、合計4タイプのボディが展開される予定で、先陣を切って登場したのが「クロスオーバー」でした。
 
 では、その「最安」モデルはどのようなグレードなのでしょうか。

 クラウンは1955年に登場以来、60年以上もの間トヨタを代表する高級乗用車として展開され続けています。

 現行型は16代目となり、2022年7月15日に世界初公開されました。

 公開時には4つのボディタイプが用意されることが明らかとなり、従来から設定されてきたセダンに加え、「エステート」「クロスオーバー」「スポーツ」が用意されます。

 まず2022年9月1日にクロスオーバーが発売され、残る3タイプについても2023年から2024年にかけて発売される予定となっています。

 第一弾として登場したクロスオーバーは、従来のセダンの雰囲気を持たせつつ車高を上げたことにより、クーペSUVのようなプロポーションとしたほか、左右で真一文字のヘッドライト・テールライトデザインや最大21インチの大径ホイールの装備、外側に膨らませたフェンダーなどがフラッグシップとして力強く存在感のあるスタイリングを表現しています。

 インテリアは過度に飾り立てず上質で豊かさを感じさせる空間とし、運転者は集中でき、ほかの乗員は心地よい移動ができる「全席特等席」を提唱しています。

 パワートレインは2.4リッターターボエンジンと新世代ハイブリッドを組み合わせる「デュアルブーストハイブリッドシステム」と、2.5リッターエンジンとハイブリッドを組み合わせる「シリーズパラレルハイブリッドシステム」の2タイプを用意します。

 そんなクラウンクロスオーバーですが、価格設定は435万円から640万円とおよそ200万円もの差が開いています。

 最安となる435万円の「X」はシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載するグレードで、「定番装備を搭載したスタンダードクラス」だと説明されており、シンプルな装いが特徴です。

 エクステリアでは19インチのアルミホイールが装備され、ヘッドライトも上級モデルに装備される4灯LEDではなく中央1灯のLEDが装備されます。

 インテリアは全グレード中、唯一オーディオレスとなりインパネ上部には社外ナビなどの取り付けを見据えたスペースが設けられる一方で、インテリアの「ウォームスティール」加飾やフロント足元などのイルミネーションは装備され、質感は保たれています。

 シート表皮は上級素材ではない通常のファブリックと合成皮革が用いられたものが採用され、シートヒーターや電動機能は省かれています。

 機能装備面ではオートハイビームやブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ、自動防眩ミラーなどが装備されないものの、衝突被害軽減ブレーキや車線変更アシスト、レーダークルーズコントロールなどをはじめとする「トヨタ セーフティ センス」は標準装備されています。

 なお、ボディカラーはわずか3色の展開で、プレシャスホワイトパール、プレシャスシルバー、ブラックのフォーマルな無彩色のみが用意され、クロスオーバーに特徴的な「バイトーン」は設定されていません。

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 クラウンはこれまで、上級セダンを購入する一般ユーザー層だけではなく、社用車や公用車などの需要に向けたシンプルなグレード設けていました。

 Xはこのグレードに該当するとみられ、最安グレードとはいえ必要にして十分な装備を持っていることがわかります。