2023年5月30日、トヨタのスペイン法人は、新型「アイゴX(クロス)UNDERCOVER(アンダーカバー)」を発売しました。どのようなクルマなのでしょうか。

斬新“カオスルーフ”採用のトヨタ最小級SUV!

 2023年5月30日、トヨタのスペイン法人は、同年3月1日にもパリファッションウィークにて世界初公開された新型「アイゴX(クロス)UNDERCOVER(アンダーカバー)」を発売したと公表しました。
 
 トヨタの最小級SUV「アイゴX」の特別仕様車である新型アイゴX アンダーカバーは、どのようなクルマなのでしょうか。

 トヨタ「アイゴ」は、2005年にコンパクトカーとして初代モデルが登場しました。トヨタがフランスやドイツなど欧州で展開する車両のなかでは最も小さいサイズで、日本でも展開されている「ヤリス」よりも安価なエントリーモデルとなっていました。

 2021年11月に欧州で登場した現在販売されている3代目モデルは、最低地上高を比較的高めに設定したクロスオーバータイプへと進化。車名もアイゴ Xに変わりSUV調になりました。

 アイゴ Xのプラットフォームは、ヤリスや「ヤリスクロス」と同じTNGA GA-Bプラットフォームで、ボディサイズは全長3700mm×全幅1740mm×全高1510mmと、国内で展開されるトヨタ「パッソ」よりわずかに大きいくらいのサイズ感。

 エクステリアは、ウェッジルーフラインを採用し、スポーティなイメージをもたせながら、大型グリルやスキッドプレート風デザインを採用したフロントバンパーを装備し、しっかりSUVとしての雰囲気も持っています。インテリアは、シンプルながらも先進的なフランス車のような雰囲気に仕上がっています。

 パワートレインには、最大出力72馬力・最大トルク93Nmを発揮する1.0リッター直列3気筒エンジンを採用、これに組み合わせるトランスミッションはCVTもしくは5速MTです。

 今回公開された新型アイゴX アンダーカバーは、デザイナー高橋盾氏が1990年に創立した日本発祥のアパレルブランド「アンダーカバー」とコラボレーションして誕生した特別仕様車です。

 ボディカラーには、特別に用意されたセレスティングレーとアトラスグレーのツートンを採用。専用デザインの18インチホイールを含め、ボディ各所にコーラルレッドのアクセントを配置されています。

 またルーフには、デザイナーである高橋盾氏のモットー「CHAOS/BALANCE(カオス/バランス)」の文字があしらわれ、まるで純正とは思えない異様な雰囲気を放っています。

 インテリアでも、専用のモノグラム柄の特製シートとフロアマットを採用し、通常のアイゴXとは一味違った仕様となっています。

 このクルマについて高橋盾氏は発表当時以下のようにコメントしていました。

「クルマをデザインするのは初めての経験でしたし、トヨタという日本の革新的なブランドとコラボレーションすることには、深い意味と感動がありました。

 相反する2つの要素、つまり世界を融合させることは私にとって刺激的で、素材も色の発想も、アパレルとは全く異なるものでした。

 都会の風景からインスピレーションを受け、日常生活に溶け込みながらも、よく見ると常識にとらわれないUNDERCOVERらしいカラーが生まれ、街と調和しながらもUNDERCOVERらしいデザインに仕上がったと思っています」

 新型アイゴX UNDERCOVERは欧州にて5000台限定で発売され、スペインではうち100台が販売されるとのこと。

 価格は、1万9900ユーロ(約298万円)です。