クルマを運転していると気をつけなくてはならないのが“交通違反”です。では、どのような違反が多く、また最も反則金の高い違反とはどのようなものなのでしょうか。

最も多い“交通違反”って?

 警察庁は毎年、交通違反の検挙件数などをまとめた資料を公表しています。2022年の総数は614万1535件でした。
 
 では、どのような交通違反の発生頻度が多いのでしょうか。また最も反則金の高い違反とは何なのでしょうか。

 2022年に最も件数が多かった交通違反は「一時不停止」で、146万6131件でした。

 2021年と比較すると12万2497件減少しているものの、1日あたりだと4000件以上も検挙されていることが分かります。

 道路交通法では、一時停止は「何秒止まらなければいけない」という規定はありません。

 とはいえ自身の判断で一時停止と思っても、周りから見れば停止していないと見られるケースもあり、例えば1秒ほどの停止は一時停止と認識されない場合もあります。

 一時停止の基準の例として、徳島県阿南市では、「まず停止、次に見せて、最後に見る」という方法を解説しています。

 一時停止は、タイヤの回転を完全に停止させ左右の安全確認を行うことが基本ですが、これに加え、歩行者や自転車、バイクなど周囲に自車の存在をしっかりと見せてから、最後にもう一度首を振って左右の安全確認を行います。

 停止してから再度見落としがないかも含め再び目視で確認することは、非常に大切です。上記の一時停止方法を普段の運転に取り入れて見ても良いかもしれません。

 続いて、2番目に件数が多かったのは「最高速度違反」で93万2260件でした。

 最高速度違反は、「時速50km以上」「時速30km以上50km未満」「時速25km以上30km未満」「時速20km以上25km未満」「時速15km以上20km未満」「時速15km未満」と6つの区分に分けられます。2022年はそれぞれ件数は減少傾向にあるものの、「時速50km以上」だけは2021年から290件増加し、1万2396件でした。

 そして、3番目に多かったのは「放置違反金納付命令件数」で、69万8533件でした。

 放置駐車違反をすると、クルマに「放置車両確認標章」と呼ばれるいわゆる黄色いステッカーが貼られます。その場合、ドライバーは警察署などに出頭して反則金を納めなければなりません。

 放置違反金納付命令は、上記の反則金の納付が認められない場合に、車両の使用者に対し放置違反金の納付を命じるといったものに該当します。

 仮に放置違反金納付命令に対しても納付がなされない場合、最終的には使用者の財産を差し押さえる手続きへと進み、滞納が解消されない限り、車検証の返付を受けることができなくなる場合もあります。

 駐車が禁止されている場所に駐車することはもちろん避けるべきですが、うっかり駐車をしてクルマに黄色いステッカーが貼られた場合は、すぐに警察署に出頭し反則金を納めるのが望ましいといえます。

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 交通違反で検挙数が多い順は「一時不停止」「最高速度違反」「通行禁止」となっており、一時不停止や最高速度違反はいずれも検挙頻度の多い違反であることが分かりました。

 交通違反で検挙された場合は、一般的に“反則金”を支払わなくてはなりませんが、反則金が「最も高い」交通違反とはどのようなものなのでしょうか。

反則金が「最も高い」違反は?

 交通違反をした場合、状況に応じて白色、青色、赤色の3種類の切符を切られます。

 なかでも青切符と呼ばれる切符は、比較的軽微な違反に対して切られるもので、「交通反則通告制度」が適用されていることで、刑罰の代わりに反則金を納付しなければなりません。

 では青切符が切られる交通違反のなかで、反則金が最も高い交通違反には何があるのでしょうか。

 警視庁がウェブサイトに掲載している反則金一覧表によると、最も高額な違反は、大型車の「速度超過35キロ以上40キロ未満(高速道)」と「積載物重量制限超過(5割以上10割未満)」の4万円です。

 普通車では3万5000円が最も高額で、大型車と同様の「速度超過35キロ以上40キロ未満(高速道)」の速度違反、積載物超過違反については「10割以上の超過」が該当します。

 ちなみに、「10割以上の超過(普通車等)」とは、例えば最大積載量が1tのクルマにその10割以上である2t以上の貨物を積載している状態をいいます。

 交通違反のなかでは、上記に挙げた「速度超過」「積載物重量制限超過」の違反が反則金が高い傾向にありますが、この2つの違反以外で見てみると、2019年12月から罰則が強化された運転中のスマホ等利用に関する違反で「携帯電話使用等(保持)違反」が大型車で2万5000円、普通車で1万8000円が続いて高額となっています。

 ちなみに、上記の違反では反則金の納付に加え「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」の罰則もあります。