スポーティなデザインに進化したトヨタ新型「プリウス」は、後席ドアノブが一見どこにあるのか分からないデザインを採用しています。この斬新な「ドアノブ」と「手動操作ボタン」について、SNSなどでも様々な意見が投稿されています。

隠れドアノブ、ユーザーはどう受け止めた?

 トヨタ「プリウス」は、1997年に世界で初めてハイブリッド車の量産化に成功した歴史的なクルマです。
 
 ハイブリッドシステムを搭載したクルマが一般化し、さらにプリウス以上に燃費が良い車種も登場した現在においても、トヨタのエコ技術の高さを象徴するイメージリーダーとしてプリウスは高い人気を保ち続けています。

 そんなプリウスは2022年11月にフルモデルチェンジして5代目に進化。新型プリウスはスーパースポーツカー並みに傾斜したフロントガラスやクーペのような流線型ボディを採用し、かつてなくスポーティな路線に振ったスタイリングが大きな特徴です。
 
 キャラクターラインに頼らないシンプルながら抑揚のあるボディ造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現。上級グレードには19インチの大径ホイールを採用し、スポーティさをより強調しました。

 そんな新型プリウスには、プリウスとしては初となる斬新な要素が取り入れられました。

 それが、一見すると後席ドアにドアノブが無いように見える、「ヒドゥンタイプ」のドアノブです。

これは多くのクルマに見られる、ドア面にグリップ式やフリップ式のノブが設置されているものとは異なり、ドアのウインドウの隅にドアノブが埋め込まれたタイプで、トヨタによる正式名称は「ドアオープンスイッチ」です。

 しかも新型プリウスでは物理的な開閉機構ではなく「電気式のスイッチ」としており、指で軽くスイッチを押すだけでロックが外れてドアを開けることができます。

 その魅力は、ドアを開ける際に大きな力が不要となる点だけでなく、ドアオープンスイッチが目立たないことによって4ドアでありながらまるで2ドアのスポーツカーのようなスタイリッシュな雰囲気を実現できた点でしょう。

「バッテリー切れ」や「スイッチの故障」でドアが開かなくなったときは?

 多くの方が気になるであろう、バッテリー切れやスイッチの故障などによってドアが開かなくなったときの対処ですが、それについてもトヨタは対策をおこなっています。
 
 よく見ないと気づきませんが、ドアオープンスイッチの後ろ下面には、物理的な機構でドアを開けられる「手動操作ボタン」が設けられており、これを下に向けて押すことで機械的にリアドアを開けることができるのです。

 ただしこのボタンは非常用ということもあり小さめで、実際に使ってみたところ押すにはそれなりに力が必要。かつ深くまで押し込む必要があるので、非常時に備えるならば事前に試して慣れおいた方が良いでしょう。

 またトヨタによると、ボタンは人差し指ではなく親指で押し下げるのが正解とのこと。人差し指で押すより格段に楽に押せるのですが、長めのネイルを付けている女性の場合などにはネイルが干渉してしまうかもしれませんので、操作の際にはご注意ください。

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 このドアオープンスイッチと手動操作ボタンについて、SNSなどでも様々な意見が投稿されており、「トヨタの顔となるプリウスでこれを採用したのはスゴい」「カッコいい!トヨタ攻めたなー」「基本は前席2人乗りで使うスペシャリティカーって考えなんだろうね」「空力などの機能性から今後このタイプのドアは増えそう」など、好意的に受け止める声が多く見られました。

 その一方で、「あの高さにドアノブがあると、買い物して両手がふさがっている時にプルプルさせながら腕を上げなきゃならない…」「荷物持ったときは普通のドアノブのほうが使いやすい」と、使い勝手に困惑する意見もあり、賛否両論となっています。

 また、「事故で電気の供給が途絶えたらドアロック解除できなくなるのかな?」「緊急時に後ろのドアを外から開けたくても、プリウスの開け方を知らない人だと救助に時間がかかったりしそう」と、事故の際の救助トラブルについて心配する人や、「この物理スイッチって結構力いれない開きません。慣れないと指挟むかも…」など、物理スイッチを使った実感を語る人も。

 そのほか「後ろのドアをスタイリッシュにするなら前のドアノブも同じように隠して欲しい!」「将来は完全にドアノブが廃止されて、スマートウオッチを近づけると解錠されるようになるのかな」と、未来のクルマのドアノブの進化について思いを馳せるコメントが印象でした。