電車やバスが通って居ない場所や急いでいる場合などに利用することがあるタクシー。しかし、飲み会の帰りや見知らぬ場所での利用ではわざと遠回りしして従来よりも高額な金額を請求される可能性がありますが、そのような被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか。
被害に遭いやすい人とは?遠回りされたときの対応方法
終電を逃してしまったときや徒歩では遠すぎる場所にいく時など、タクシーは便利な移動手段のひとつです。
タクシー運転手は運転に慣れており、最短ルートや裏道をよく知っている方も多くいます。
しかし、なかには悪質なタクシー運転手もいて、遠回りして運賃を上げようとしたなどという事例もありますが、そのような被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか。
遠回りの被害に遭いやすいのは、道をよく知らなさそうな観光客や、タクシーに乗った後に途中で眠ってしまった人、飲酒して酔っぱらっている人などです。
いずれも「少しくらい遠回りしても気付かれないだろう」とタクシー運転手が高を括っている危険性があります。
目的地に着いたとき、明らかに料金が高く、わざと遠回りされて高額な請求をされていると気付いたら、余計に請求された金額は返金してもらうことができる可能性があります。
タクシーの遠回りについて、東京タクシーセンターの担当者は次のように話します。
「料金不信や不当料金請求に関しての問い合わせをいただくことはあります。
問い合わせを頂いたらまず、遠回りをしていたかの事実確認をします。
そこで、遠回りをしていたかや運行前にお客さんにルート確認をしていたかなどを調べ、結果をお客様に報告します。
実際の返金対応は各タクシー会社と相談してもらうという流れになります」
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乗客がタクシーに乗って目的地を伝えた時点で、タクシー運転手と乗客は、旅客運送契約が結ばれます。
旅客運送契約とは、運転手は最も早く到着するであろう合理的なルートを選んで安全に乗客を運ぶ債務を負い、乗客は降車の際に運賃を支払う債務を負うというものです。
乗客に断りもなく、合理的なルートを選ばなかったタクシー運転手には債務不履行が生じます。
返金はしてもらえるの? 遠回りをされないためにはどうする?
遠回りしたルートでの運賃と、合理的なルートでの運賃との差額は損害になり、乗客はタクシー会社に損害賠償を求めることができます。
運賃に疑問があれば、まずはタクシー運転手と交渉し、車内に表示されたタクシー会社の連絡先に電話を入れます。
そして、妥当だと思う金額を支払い、自分の連絡先を渡して降車するのが良いとされています。ただし、乗り逃げと誤解されないように落ち着いて振る舞うことが大切です。
タクシーで遠回りされないための対策としては、主に2つあります。1つ目は「目的地を伝える際にルートを指定する」というものです。
よく知っている道なら最短ルートを把握しているため、どのルートを走ってほしいか具体的に指定するとよいでしょう。
もし、工事やイベントなどで交通規制がかかっているときは、タクシー運転手がその旨を伝え、指定されたルートを走行できないと教えてくれるため、いつもと別ルートでも納得できます。
2つ目は「タクシーアプリの事前確定運賃を使う」というものです。
事前確定運賃とは、タクシーアプリで乗車する前に、あらかじめ目的地を設定し、アプリが提示する迎車地から目的地までの走行ルートを選択し、その選択した走行ルートに応じた運賃をタクシーを呼ぶ前に確定する注文方法です。
事前確定運賃を利用すれば、遠回りされて余計な運賃を支払う心配がありません。
しかし、すべてのタクシーアプリで事前確定運賃を利用できるわけではないため、事前確定運賃を利用できるタクシーアプリを事前にダウンロードしておくと安心です。
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まれに運賃をあげるために意図的に遠回りするタクシー運転手もいるかもしれません。
しかし、最短ルートだと思っている道がタクシー運転手と乗客とのあいだで異なる場合や、工事やイベントなどによって交通規制がされており遠回りせざるを得ない場合も考えられます。
そのため、「遠回りされているかもしれない」と感じても、落ち着いて対応するとよいかもしれません。