かつてはクルマのボディ側面には「サイドモール」と呼ばれる棒状のものが横に取り付けられていましたが、最近では減少傾向にあり、あまり見られなくなりました。なぜ見なくなり、そしていまも採用する理由は何なのでしょうか。

見かけなくなったサイドモールって何?

 クルマのボディ側面に装着されているサイドモールは、ゴムや樹脂などで出来ており、セダンタイプに多く採用されていました。
 
 しかし、近年の新型車にはサイドモールが装備されているクルマは減少しており、サイドモールそのものの認知度も低下傾向にあります。

 かつてはクルマのボディ側面には「サイドモール」と呼ばれる棒状のものが横に取り付けられていました。

 しかし、近年サイドモールは減少傾向にあり、あまり見られなくなりました。

 サイドモールはクルマのボディ側面にゴムや樹脂系パーツで構成されていて、装着することでドア開閉時に障害物との接触でクルマのボディが損傷しないよう保護する役割を担います。

 サイドモールはセダンタイプのクルマに採用されているケースが多く、ボディと同色ではない場合には、無愛想な横線に見えてしまうクルマもあります。

 数多くのメーカーで採用されていたサイドモールですが、街中で見かける機会が減ってきました。

 サイドモールが採用されなくなった理由は、デザイン性能が大きく関係しています。

 サイドモールが消えたひとつの要因として、プレス技術の進化が挙げられます。

 前述の通り、サイドモールにはボディサイドの抑揚を出すといったデザイン上のメリットがありますが、それは同時に従来のプレス技術では、抑揚のあるボディ形状を形成できなかったということでもあります。

 一方、近年技術が進歩したことにより、プレスによって複雑なボディラインを演出することができるようになりました。

 デザイン上のメリットはもちろん、車体軽量化や空気抵抗の減少化などを考慮しても、サイドモールを装着するよりもプレスによって形成するほうが良いといえます。

 高級セダンに多く採用されてきたサイドモールですが、シンプルなデザインを好むユーザーにとっては、「とってつけた感」の強いサイドモールよりも、プレスによる自然なボディラインのほうが適しているようです。

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 なお2022年9月に発売されたトヨタ「クラウンクロスオーバー」にはかつてのサイドモールのような黒い樹脂のパーツが付いています。

 これはキャラクターラインに頼らず面の抑揚で質感を表現したサイドビューとするために意図的に付けられたものです。

 デザイナーによればリアの黒い樹脂部分と同じく全体的に引き締めた印象を与える効果があるとして採用されていいます。

シトロエンC3やベルランゴ、どんなデザインか、見た目の特徴は?

 近年販売されているモデルの中でサイドモールが装備されているクルマとしては、フランスのシトロエン「C3」や「ベルランゴ」なども挙げられます。

 シトロエンに採用されているサイドモールは、メーカーの発想の転換により、機能性向上や個性溢れるデザインが魅力的なクルマとして販売されています。

 見た目の印象は全体的に角丸の四角形を主体としたデザインとなっており、シトロエン独自の内外装が楽しめます。

 そんなシトロエンですが、なぜ近年減少傾向にあるサイドモールのようなものが採用されているのでしょうか。販売店担当者は、次のように話します。

「C3やベルランゴに採用されているのは『エアバンプ』と呼ばれるものです。これは、軽い接触などがあった際に、ボディを守るために取り付けられています。

 それだけでなく、シトロエンは非常にデザイン性にこだわっている一台で、街中の走行に適したコンパクトさと、シャープな力強さを兼ね備えているモデルです。

 シトロエンを象徴する数多くの個性的なデザインフィーチャーの一部として、エアバンプが取り入れられています」

 近年では見かける機会が減ってきているサイドモールですが、シトロエンではボディプロテクションに加えて、デザイン性のために採用しているようです。

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 かつては純粋ボディを守るために取り付けられていたサイドモールですが、デザイン性の観点から取り付けられる機会が減りました。

 その一方で、逆に個性的な味わいを演出することから、シトロエンなどではデザイン性が高いアイテムとして再び採用されるようになっています。