クルマの警告表示には「雪の結晶」のマークを使用したものがあります。これはどのような意味なのでしょうか。

メーターに現れた「雪の結晶」どんな意味?

 クルマを運転していると、メーターパネルに「雪の結晶」のマーク(以下、雪マーク)が点灯、あるいは表示されることがあります。
 
 この表示は何を意味しているのでしょうか。

 雪マークが点灯するタイミングは、車種やメーカーによって差異があるものの、冬季に点灯することが多いことからどのような意味なのか気になる人もいることでしょう。

 この雪マークの正体は多くの場合、外気温が低いことを知らせる「低温表示灯」です。路面が凍結している可能性があることから、運転への注意をドライバーに促すための警告灯です。

 表示される場所は車種によって異なり、大半はメーターパネルやマルチインフォメーションディスプレイなどに現れますが、それ以外の外気温計やエアコンパネルに設定されているモデルも存在します。

 そして警告が表示される外気温の設定もメーカーごとに違いがありますが、一般的に外気温が2℃から4℃ほどで警告されるようになっています。

 このように、雪マークの正体は安全運転を促し事故を防ぐためのサポート機能といえますが、過信は禁物です。

 路面の凍結や滑りやすさは、必ずしも外気温と連動するものではなく、例えば除雪した歩道の雪が車道に落ちていることもあります。

 また、センサーが異常を起こして外気温計が実際の気温より明らかに高い、あるいは低い値を表示することも珍しくないことから、雪マークはあくまでも目安として考える必要があります。たとえ警告灯が点灯していなかったとしても、凍結など危険性を感じる状況では、自らの判断で路面状況に注意し運転に集中した方が良いでしょう。

全く意味の違う「雪マーク」もある…難しい!

 その一方で、全く別の意味を持つ雪マークの警告灯も実在します。

 例えばホンダには、雪道や凍結路でタイヤが滑った際にアクセルペダルの踏みごたえを変える「リアクティブフォースペダル」という機能を装着したモデルがあります。この機能が作動しているときは、マルチインフォメーションディスプレイに雪マークが表示されます。

 また、トヨタ車には、クリアランスソナーが雪などの汚れによって機能しなくなったことを警告するために、雪マークに囲まれたクルマの画像が表示されるモデルもあります。

 つまり近年のクルマにおいて雪マークは必ずしも“凍結警告”を意味するものではいえず、降雪時などに何らかの機能が作動したり先進運転支援システムに作動制限が加わったりするような場合にも、雪マークが点灯することもあります。

 このように、似たような見た目の警告表示でも、メーカーや車種によって意味する内容が異なることがあるため、クルマを購入したら一度は取扱説明書に目を通し、それぞれの警告表示がどのような意味を表しているのかを事前に把握しておくことが大切です。