週末や連休時に高速道路を走っているとIC出口の渋滞によりその手前の路肩が渋滞していることがあります。では、路肩の渋滞は違反とならないのでしょうか。

路肩通行は原則NG!車両が通行できるケースとは

 高速道路を通行していると、IC出口付近などで路肩にクルマが並び、渋滞が発生していることがあります。
 
 本来、路肩はやむを得ない場合に利用する場所というイメージが強いですが、路肩渋滞は交通違反に当たらないのでしょうか。

 連休の時期や春休みなどのお出かけシーズンには、高速道路が渋滞することがあります。

 特にSA・PAの入口付近やICの出口付近などの手前は渋滞しやすく、路肩にクルマの長い行列ができる場面もよく見られます。

 SNS上では、ゴールデンウィークをはじめとする連休期間に高速道路を利用したドライバーから「SAに入ろうとしたら路肩だけで2kmも渋滞していた」「出口付近の路肩にクルマがいっぱい並んでいた」などの報告が複数寄せられました。

 また利用者からは「路肩に並ぶのってどうなの?」と路肩渋滞に対して疑問を呈する声も聞かれます。

 確かに高速道路の路肩は緊急時にしか利用できないイメージがありますが、路肩に並ぶことは交通違反に当たらないのでしょうか。

 そもそも路肩とは車道や歩道、自転車道などに接続した帯状のスペースのことをいい、車道ではありません。

 車両制限令という法律の第9条では、路肩の通行について次のように規定しています。

「歩道、自転車道または自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は、その車輪が路肩にはみ出してはならない(条文を一部抜粋)」

 つまり高速道路では基本的にクルマで路肩を走行してはいけません。

 これに違反すると道路交通法第17条第1項の「通行区分違反」として違反点数2点、普通車で反則金9000円を科される可能性があります。

 ただし例外として救急車、パトカーといった緊急車両が走行するときやクルマの故障で路肩に駐停車するときなど、やむを得ない場合には路肩を通行できます。

 この路肩渋滞に関してNEXCO西日本広報課の担当者は基本的に路肩通行が禁止されていることを説明した上で、次のように話しています。

「交通集中などにより、出口車線があふれてしまった場合、本来は左側の第1走行車線に並んでいただくことが基本となります」

 さらに、路肩渋滞が発生している場合にドライバーが取るべき行動に関して担当者は次のように話しています。

「路肩に限らず、渋滞を発見し低速走行や停止する場合は、ハザードランプを点灯し後続車に合図していただくようお願いします」

 高速道路は一般道路と比べてスピードが出やすいぶん、前方の渋滞に気付くのが遅れてブレーキが間に合わず追突してしまうケースが散見されます。

 高速道路の渋滞時にはハザードランプを付けて後続車に知らせることを心がけましょう。

 そのほか路肩渋滞を解消するための取組みに関して、前出の担当者は次のように説明しています。

「路肩渋滞(出口渋滞を想定)は主に料金所やランプ部、一般道との接続部の交通集中によって発生します。

 対策として、ランプ部の改良や加速・減速車線の延伸などをおこなっており、一般道との接続部では道路管理者や交通管理者と信号現示や交差点の改良等の調整をおこなっております。

 なお、交通集中を防止するとともに交通混雑の時間帯を避けてご利用いただけるよう、事前の渋滞予測情報をウェブサイトで、道路交通情報を『アイハイウェイ』などで提供しております」

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 NEXCO各社や首都高ではそれぞれ専用ウェブサイトで各道路の情報を提供しているので、事前に活用するのが良いでしょう。

 やむを得ない場合を除き、高速道路の路肩通行は交通違反に当たります。

 緊急車両が近づいてきた場合には路肩を走行する可能性もあるため、車線を譲る準備をしつつ、緊急車両からのアナウンスがあればそれに従うようにしましょう。