慣れない高速道路の運転で、サンデードライバーが特に恐怖を感じるのが、「高速道路に入る時の合流」かもしれません。うまく合流するには、どういうことに気を付ければいいのでしょうか。

運転に慣れないドライバーが「超苦手」に感じる「合流」

 いわゆる「サンデードライバー」が増える大型連休。
 
 近所のスーパーに買い物に行ったり、子どもを塾へ送り迎えするくらいの運転経験のドライバーが、いきなり「幹線道路」「高速道路」「土地勘ゼロの場所」へ放り出されることになります。
 
 慣れない高速道路の運転のなかでも、サンデードライバーが特に恐怖を克服しにくいのが、「高速道路に入る時の合流」かもしれません。
 
 うまく合流するには、どういうことに気を付ければいいのでしょうか。

 高速道路に入る時は、まず「あらかじめ」加速する必要があります。合流してから加速しようとしても、速度差が大きいので、あっという間に追い付かれてしまい、追突の危険があります。また、後ろのクルマに恐怖をあたえ、思わぬ緊急操作をさせてしまい、事故を招きかねません。

 加速のために、高速道路に合流する前にはある程度の長さが用意されています。これは「加速車線」と言われます。このあいだに、合流先の本線を走るクルマにスピードを合わせ、「追いつかないうちにスッと高速道路に入る」ことが重要です。

 この「追いつかないうちにスッと高速道路に入る」ことが、やろうと思ってやれるものではない、というのがサンデードライバーの恐怖心です。

 一番怖いパターンは、「合流しようとしても、次から次へとクルマがやってきて、合流できる隙間が無い。もたもたしているうちに、加速車線が終わってしまい、目の前に壁が迫る」という場合です。この「最悪のパターン」を想像すると、思わず高速道路に対して恐怖心がぬぐえません。

 どう対策したらいいのでしょうか。

 高速道路管理会社のOBは、「『合流できる隙間が無い』という状況は、実はほとんど起きません。というのは、高速道路はスピードが速いため、皆、車間距離を十分空けているからです。そこにきちんと加速したクルマが合流しても、突っ込まれる心配はありません」と話します。

 しかし、アクセルをめいっぱい踏み込んで「きちんと加速する」こと自体が不慣れなので、後ろから来るクルマと以心伝心でタイミングを合わせることは、なかなか難しいです。

 そもそも、「ほかのクルマとのスピード感と距離感の関係がわかっていない」のがサンデードライバーなので、「まああれくらい車間距離が空いていれば、スッと入れそうだな」という判断自体ができないのが一番の課題と言えるでしょう。

 そこで上述のOBは、合流時に「可能な限りベストな状況へ持っていく」コツとして、こう語ります。

「重要なのは、事前にきちんとウインカーを付けて、『私は今から合流します』という意思表示を、周囲に示すことです。

 よっぽど意地悪なドライバーで無い限り、警戒してスピードを緩めるか、あるいはさっさと前を通り過ぎるべく加速するか、車線変更してくれるか、何かしらのリアクションをしてくれます。

 近づいてくるクルマのドライバーにとって困るのが、『行くのか行かないのかハッキリしない』ということ。そして『直前になって突然意思表示をすること』です」

 サンデードライバーに限ったことではありませんが、「直前までウインカーを出し渋る」という謎のこだわりを持つドライバーが散見されますが、件のOBは「ただ自分の首を絞めるだけの悪癖です」と話します。

「スムーズに運転したければ、周囲との『意思疎通』を大事にしましょう」(高速道路会社OB)

 それでも、やっぱりタイミングを合わせることができない「ゲームオーバー」状態になることもあるかもしれません。その場合は決して無理せず、ハザードランプを点けたうえで、加速車線で止まるのも手段です。

 加速車線はスピードがまだ遅いため、後ろから追突される危険も小さく、先述のとおり「前もって危険を知らせていれば、周囲は対応してくれる」ため、焦って無理な合流をするよりも安全です。

 しばらく待っていれば、「クルマが全然来そうにない」という瞬間は必ずやってきます。その時に、速度ゼロから焦らず、心に余裕を持って加速し、合流していきましょう。