渋滞が集中し混雑も激しいゴールデンウイークのピークを外した今こそ、隠れた行楽のオススメシーズンです。お得に使えるETCの「ドライブプラン」について紹介します。

意外と知らない!?「高速道路周遊パス」とは

 ゴールデンウィークが過ぎ、梅雨前の5月から6月にかけては、比較的安価に快適に観光ができる穴場タイミングです。
 
 なかでもオススメなのが、ETCを活用しお得に高速道路が利用できる「周遊パス」ですが、一体どのような仕組みなのでしょうか。

 物価の上昇や燃料価格の高止まりなどで、カーライフにおいても日々の出費がますますかさんでいます。

 ただ高速道路の場合、ETCを利用することで、お得な割引となる時間帯があることは広く知られています。

 例えば午前0時から4時の対象時間帯に走行することで「深夜割引」として3割引きになります。

 また軽自動車や普通自動車などは、土日や祝日に高速道路の地方部を走行すると3割引きになったりします。

 ところがゴールデンウィークやお盆、シルバーウィーク、年末年始の週末などは、「オーバーツーリズム」防止・抑制のため、休日割引が適用されない時期が存在します。

 5月のゴールデンウィークは終わりましたが、5月から6月にかけての梅雨入り前は引き続き、行楽日和が続きます。

 そんな観光の際には、前出のETC割引に加え、よりお得で便利に使える「高速道路周遊パス」が活用できます。

 高速道路周遊パスとは、お得な定額料金で設定されたエリア内が乗り放題になるパスです。

 各高速道路会社によって「ドラ割」「速旅(はやたび)」「みち旅」などの独自名称が付けられている場合もあります。

 通常、高速道路は遠くへ行けば行くほど料金が高くなります。

 しかし周遊パスは乗り降り自由な定額プランなので、観光スポット間の移動時間短縮としてこまめに高速を乗り降りする際など、特にお得に利用できます。

 高速道路周遊パスの申し込み方法は、NEXCO東日本の場合、ETCカードを準備したうえで、パソコンやスマートフォンで公式サイトにアクセスし希望のプランを選択。利用開始日やメールアドレス、電話番号等必要事項を入力し登録するだけです。

 申し込みの期限は、多くのプランはドライブの直前でもOKとなっており、思った以上に手軽な仕組みとなっています。

 例えば急な体調不良などで行けなくなった場合でも、キャンセル料がかからずウェブサイト上からキャンセルすることができるので、気軽に申し込むことができます。

 ただしドライブプランとあわせて宿泊などの予約がされている場合は、各施設によって適宜キャンセル料が発生することもあるので、プランの内容を事前に確認する必要があります。

宿泊や観光施設とセットになったさらにお得なプランも

 高速道路周遊パスは、シンプルに高速道路を周遊するプランのほか、高速道路の周遊に加え、観光施設入園券やお買物券がセットになったプラン、宿泊商品券がセットになったプランなどがあります。

 あらかじめ目的地があっての利用の場合もお得ですが、高速道路周遊パスの各プランを見ることで、これまで気が付かなかった観光スポットも発見できたりするので、ドライブプランを立てる際にチェックする手もあります。

 また高速道路周遊パスには、観光施設やサービスエリアでの優待特典などがついている場合もあるので、ドライブ旅をよりお得に利用することができます。

 筆者(くるまのニュースライター HAMATARO)の場合、平日の単純往復での利用でしたが、高速道路周遊パスを利用して、ちょっとした裏技を使ったことがありました。

 平日の日中に普通車で東北道の川口JCT(埼玉県川口市)と平泉スマートIC(岩手県平泉町)を往復すると、通常は1万8600円(往復)です。

 このインター間を利用する高速道路周遊パスなら、岩手県が周遊区間に含まれる「首都圏発東北6県周遊プラン」[3日間有効/1万6000円]を選ぶのが一般的ですが、筆者はあえて、平泉スマートICが含まれていない「南東北周遊プラン」を申し込みました。

 まず川口JCTから東北道を走り、南東北周遊プラン北限の若柳金成IC(宮城県栗原市)でいったん途中下車した後、再度高速に乗り直し、プランを使わずに目的地の平泉スマートICへ到着。

 帰りも平泉スマートICから通常料金で高速に乗って若柳金成ICで途中下車し、そこから南東北周遊プランを再開して、川口ジャンクションへ帰ってきました。

 この場合、南東北周遊プラン1万1500円に若林金成ICから平泉スマートIC間の往復1060円をプラスして、合計1万2560円に収まります。

 そうすると、首都圏発東北6県周遊プラン(1万6000円)を利用するよりも3440円お得な計算になるのです。

 なおプランの価格や利用条件などは順次変更される場合があり、さらに季節限定のプランなども設定されます。

 常に公式ウェブサイトなどをチェックして最新の情報を確認しておくと良いでしょう。

※ ※ ※

 大変お得な高速道路周遊パスですが、必ずしもお得にならないケースもあります。

 例えば周遊エリアでの乗り降りがあまりなく、出発地と目的地の往復移動くらいで終わってしまう場合です。

 また注意点として、「出発エリア」と、乗り放題の「周遊エリア」のあいだの区間で途中下車する場合、多くの周遊プランはサポートしていません。

 そうした「範囲外」で乗り降りしたい場合、休日割引や深夜割引を利用した方がお得となるケースもあります。