ロシアの自動車メーカー「ラーダ」は2024年5月2日、国内の乗用車と商用車の4月販売台数について、過去12年間で最大になったと発表しました。

ロシア国産車が急成長のワケ

 ロシアの自動車メーカー「ラーダ」は2024年5月2日、国内の乗用車と商用車の4月販売台数について、過去12年間で最大になったと発表しました。

 同社によると、2024年4月の販売台数は4万5551台に達し、昨年比でも64.8%も増加したといいます。

 最も人気の高い「グランタ」は4月に2万1429台を納車(前年比7.7%増)。新型「ヴェスタ」も1万3450台の販売実績となり、小型クロカン「ニーヴァ・レジェンド」は4か月で1万6609台を売り上げ、前年比では驚異の51.9%増となっています。

 2021年に登場したSUV「ニーヴァ・トラベル」は、4か月販売台数が前年比で21.6%増加し、17453台となっています。

 ロシアではウクライナ侵攻にともない、欧米はじめ各国から禁輸措置など経済制裁が続くほか、現地法人も撤退しています。

 これまでは起亜自動車やヒュンダイ、ルノーやフォルクスワーゲン、トヨタなどがシェア上位にありましたが、それらが撤退したことで、新車需要がロシア国内メーカーへ押し寄せた結果、今回のような急激な販売台数増加につながっていると見られます。

 親会社であるアフトワズによると、2023年のラーダ販売台数は35万2572台で、前年比87%の爆増。ロシア国内のシェアは過去20年で最高の35%に達したと発表しています。

 いっぽう、海外企業としてシェアを急速に伸ばしているのが、奇瑞、吉利など中国メーカーです。ロシアの大手銀行の発表した数字では、2023年に中国車のシェアが合計で49%を占めたと報じられています。もともとラーダはシェアトップに君臨していましたが、国内情勢を受けてその牙城が飲み込まれていくかもしません。