2024年5月30日に埼玉県内でトヨタ「ランドクルーザー300」が盗難されました。1度は盗難に遭ったものの、丸1日後には無事にオーナーの元に戻るということがありました。

丸1日後に無事発見された「ランドクルーザー300」とは?

 2024年の春先から通称「GAME BOY」によると思われる盗難で毎日のようにトヨタの「ランドクルーザー300」や「アルファード」の盗難が相次いでいます。
 
 そうしたなかで、1度は盗難に遭ったものの、丸1日後には無事にオーナーの元に戻るということがありました。

 2024年5月30日に埼玉県内でランドクルーザー300(以下ランクル300)が盗難されました。

 モカ(@moka_dog_pokeka)さんのランクル300は納車まで2年半も待ってやっと、2023年12月に納車されます。

 そこからわずか5か月ちょっと。長い間待ってやっと納車され、ランクルライフを楽しんでいた矢先の盗難でした。当時の様子をモカさんは次のように話しています。

「最後にランクルに乗って駐車場に戻ってきたのが5月29日の夜で22時40分頃。

 30日の朝に起きてクルマがないことに気づきました。盗まれた正確な時間はわかりませんが、29日深夜から30日の早朝だと思われます。

 すぐに位置情報を確認しましたが、自宅から3kmくらいのところが最後の場所として表示されただけでした」

 モカさんは「もう戻っては来ないだろう。でもやれるだけのことはやってみよう。ハンドルロックも指紋認証も役に立たないことを知らせたいという気持ち」があったといいます。

 失意のどん底にいたモカさんでしたが、「もしかしたら目撃者が現れるかも…」という一縷の望みをこめてX(旧Twitter)に以下のような投稿しました。

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ランドクルーザー300盗まれました。
分かっていた事ですが、ハンドルロック、指紋認証無意味です。

もう見つからないと思ってますが、どこかで目撃した際は情報頂けると嬉しいです。

本当に私と同じような被害に遭ってほしくないと思っているので皆さんご注意ください。

やつらは平気な顔して人の物持っていきます。
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 モカさんのこの投稿は短時間で2000万件以上のインプレッションを獲得し、多くのコメントがつきました。

 そして、すっかり諦めていたモカさんのもとに朗報が届いたのは盗難に気づいた30日午前7時40分頃から24時間経たない31日午前6時頃。

 モカさんのランクル300と思われるランドクルーザーを発見したという目撃者からDMが届いたのです。

「自宅から約60km離れた場所でよく似たランクルがあるとXのDMで連絡を頂きました。

 目撃者の人たちは私に連絡をくださると同時に、警察にも連絡を入れてくださっていて、その後の動きはとてもスムーズでした」

 モカさんはそれからすぐに、ランクル300の確認に行きます。

 ざっと見たところ、外観にはまったく傷がありません。違和感があったのは封印の部分です。

 唯一、ナンバープレートの封印を外してナンバープレートを交換しようとした形跡があったとのこと。

 結局、封印をは外すことができずナンバープレートもそのままでした。それが今回の発見につながったといえます。

「封印が外せなかったからでしょう。

 ナンバープレートもそのまま残っていました。封印の上には清涼飲料水の白いキャップが被せてありました。

 それ以外、外観には傷一つなかったですね。バンパーをずらしたりしたあともなかったです。それで手口はGAME BOYによるものだと確信しました。

 ただ、車内にあったものはすべて無くなっていました。ハンドルロックをつけていましたが、こちらもハンドルそのものを切断して外されていました(外されたハンドルロックも車内にはなかった)。

 ドラレコやETCカードなどもなし。このほか、ゴルフバックや仕事用のカバン、その日たまたま車内に置き忘れていた財布なども持ち去られていました」

盗難されて見つかるケースに共通することは? どうしたらオーナーの元に戻る?

 ところで、毎日のようにランクル300やアルファード、そして日産「スカイラインGT-R」やマツダ「RX-7」などの旧車を含めて盗難被害がSNSで報告されていますが、中にはモカさんのように発見されて持ち主のもとに返ってくるケースもあります。

 筆者はこれまで100台近い自動車窃盗を取材してきましたが、このうち発見されて取材ができたケースは以下となります。

 ・LC(ほぼ無事)
 ・RX-7 FD 3台(2台はほぼ無事。1台はバラバラ)
 ・スカイラインR34GT-R(ほぼ無事)
 ・シビックタイプR(窃盗犯が乗り逃げして事故で大破)
 ・ランドクルーザー300(モカさんの例)
 ・スカイラインR32GT-R(消火器をまかれていた)
 ・GS(バラバラにされて金属解体業者のヤードで発見)

 また、ここには入っていませんが日本で盗まれた約20台の旧車スポーツカーがバラバラにされてアメリカの日本車専門店で見つかったというケースも2020年5月にありました。

 他、国内で窃盗犯が捕まったという例もありますが、このような場合はすでに海外に密輸されているケースがほとんどなので残念ながらクルマがオーナーに戻る可能性はほぼゼロに近いでしょう。

 そして盗難車が発見されるケースには、共通点があると筆者は考えます。

 確実なエビデンスがあるわけではないので参考までに心に留めておいていただくと良いかもしれません。

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 1.XをはじめとするSNSに被害者本人が盗難に気づいてすぐに写真と共に投稿している

 重要なことは被害者本人の投稿であることです。盗難被害に遭った苦しみや悲しみが読む人の心に伝わり、「何とかしてあげたい!」という気持ちが多くの人に伝わります。

 また、盗難対策についての詳しい事情もオーナー本人であればすぐに答えられるでしょう。

 盗難に関する投稿を知人や友人、親戚が代わりにやる例がありますが、何か専門的なことを聞かれたときにすぐに回答できなかったり、回答が薄かったりするのは良い傾向ではないと考えます。

 2.SNSのDMを開放している

 インスタグラムやXのDMをフォロー関係なく、誰からでも受け取れるようにしておくことは非常に重要です。

 今回のモカさんも全く縁のない方からの目撃情報で発見→返還に至りました。

 3.SNSで広く拡散される

「自動車盗難情報局」(jidoushatounan.com)や「盗難情報掲示板」(theftinfo.hatenablog.com)などに盗難情報を登録すると同時にSNSで盗難情報が拡散されます。

 犯人側にこちらの動きを知られないよう公開しない、という被害者の方もいますがこれまで見つかったケースの多くは、SNSでの拡散が発見につながっているといえます。

 4.メディアの取材には積極的に応じる

 TVで放送されたことで多くの人が知ることになり、目撃情報から発見→返還に至った例もあります。

 ただし、TVで取り上げられるかどうかは動画の有無にかかわっています。

 防犯カメラの映像などをいち早く提供できる状態であればTVで放送されやすくなり、それが発見につながるケースもあります。
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 最後にモカさんに改めて「なぜ短時間で見つかったと思いますか?」と聞いたところ、以下の回答を頂きました。

「Xでの拡散。これに限ると思っています。

 私のランクルを見つけてくださった人もXでの盗難被害の投稿を見てくれていました。

 たまたまその人がクルマに関する仕事をされていて、31日の朝、電車に乗るときにコインパーキングにランクルが止まっているのに気づいたそうです。

 不審に思って、後輩にお願いして写真を撮ってきてもらい、警察に連絡をするとともにそのランクルの写真を私のところに送ってきてくれました。

 ナンバーも同じですし、『これは間違いない!』となりました」

※ ※ ※

 盗難されやすい地域(千葉、埼玉、神奈川、愛知など)で盗難されやすいクルマ(ランドクルーザープラド、300、アルファード、スカイラインGT-Rなど)を所有している人はどうか他人事だと思わず、常に「盗難されるかもしれない」という意識をもって十分に対策をとってください。