能登半島地震でも課題となった、災害時のトイレ問題。高知県日高村の企業が、県産ショウガの“残渣(ざんさ)”を使った凝固剤を開発しました。石油由来の素材を使わない「地球に優しい」製品で、今後、全国、世界に広げていきたい考えです。

こちらが、自然に還るトイレ用凝固剤「フォレッタブル」です。石油由来の素材を使っておらず、埋めても分解される「地球に優しい」製品だといいます。開発したのは、日高村でペットケア用品などを製造する「エスエス」です。ネコのトイレ用の砂の製造技術を活用していて、県産のヒノキやショウガの残渣などを使っています。

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1月の能登半島地震では断水に伴うトイレなどの衛生環境が大きな課題となりました。簡易トイレを使用したとしても排泄物の処理も必要不可欠で、「自然分解ができる」というこの製品は・トイレに流せる・燃やせる・埋められるというのが特長です。さらに、ショウガを使うことで消臭能力も優れているといい、きょうの製品発表会ではアンモニア臭がする水を使って、効果を試す場面もありました。

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提携しているショウガの生産・加工・販売会社によりますと収穫から加工、販売までの過程では月に数トンの残渣=かすが出るといいます。通常はほとんどが廃棄される残渣を食品以外の分野に活用することも、製品が持つ「環境への配慮」というコンセプトを後押ししています。

(エスエス 坂本守正 社長)
「災害先進県といわれる高知から、環境に負荷をかけない、においもない、みなさんが困っているものを全て解消した製品を、全国に、世界に広げていきたい」

フォレッタブルは来月から、エスエスのインターネットサイトなどで販売される予定です。また、県の防災関連製品にも登録されていて、5月末に大阪で行われる見本市にも出展されるということです。