高知県内では午前中にかけて大気の状態が非常に不安定となり、各地で大雨となりました。田野町では突風と見られる被害が発生し、住宅の壁や屋根がはがれたり、ビニールハウスが倒壊したりしました。けが人はいません。

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低気圧や梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、高知県内は午前中、大気の状態が非常に不安定となりました。

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安芸市では、午前5時40分までの1時間に78ミリ、馬路村魚梁瀬では、午前6時7分までの1時間に63.5ミリの非常に激しい雨を観測。17日夕方からの24時間雨量は、馬路村魚梁瀬で201ミリ、室戸市佐喜浜で186ミリなどとなっています。(安芸市で162ミリ)

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(リポート 川見真宵アナウンサー)
「突風の被害があった田野町に来ています。住んでいる人によりますとバリバリと音がして屋根がはがれたということです。」

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田野町の北張(きたばり)地区では午前6時30分ごろまでに突風と見られる被害が発生しました。

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屋根がはがれてしまったこちらの住宅。夫婦が5年ほど前から住み始めた比較的新しい住宅です。午前6時ごろ、ゴーという風の音に危険を感じ、住人がリビングのシャッターを閉めた直後、屋根がはがれたということです。

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(外にいた女性)
「(ふだん)風はまあまあ吹きますけど、あんなことは今までなかった…」

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こちらの女性は、突風が発生した時、育てているオクラの様子を見るため、外にいたといいます。

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(外にいた女性)
「あの竹が真横に倒れたんです。風でね。すごい風やなあと思って。雨もひどかったね、その時。そこからほんの1.2分やろかね。今度はオクラが真横に倒れて。これ(台車)をおさえて、足をふんばって、自分の身を守るのに精いっぱい」

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ビニールハウスも、ぐにゃりと押しつぶされたように曲がり、骨組みがむき出しに。

(農家の人)
Q.ハウス自体をなおす術がない?
「ちょっと無理ですね。気力的に。家のほうもちょっと壊れてるし」

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(農家の人)
「(ここで農業を始めて)80年」
Q.80年の中で被害は?
「初めて」

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(農家の人)
「ハウスがすごいことになっていると電話がかかってきて、上がってくると、うちのハウスがない。12アール倒壊したことになる。骨組みしかないので手がつけられない状態です」

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田野町によりますとこの突風被害で、住宅7棟、倉庫3棟、さらに集会所の屋根がはがれたほか、ビニールハウス9棟が倒壊したということです。

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この被害によるけが人はいませんが、高知県によりますと農業被害は2000万円あまりにのぼっています。

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高知地方気象台は昼前から、この突風がどのような現象だったかを探るため現地調査に入り、突風が起きた時の状況を聞き取ったり、被害の広がり方を調べたりしていました。

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(調査員)
「耳鳴り、痛かったとかありましたか?」
(被害に遭った住民)
「あった!高いところに上がったらツーンと。ああいう状態になった」

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(高知地方気象台 神野正樹 次長)
「かなり広い範囲で突風の被害が発生していると思っています。昨日から今日にかけてのように大雨、積乱雲が近づくような兆しがあるときは屋内に退避して、しかも窓ガラスから離れたところにという避難の方法を伝えています」

大雨のピークは昼前には過ぎ、午後は一転、各地で青空が広がりました。気温も上昇し、最高気温は高知市で30.9℃、四万十市江川崎で30℃など真夏日となった地点もありました。

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高知県田野町で起きた突風被害について、高知地方気象台は先ほど、「竜巻の可能性が高い」という調査結果を公表しました。被害の痕跡が帯状に分布していたことや、竜巻に特徴的なゴーという音が移動したという証言が複数得られたことなどから判断したということです。

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