奈良市の若草山で28日、冬の恒例行事「若草山焼き」が開催された。昨年までは新型コロナウイルス禍で山周辺の観覧者制限などがあり、3年ぶりの通常開催となった今年は約17万人が詰めかけた。ただ直前までの雪の影響で例年通りには燃え広がらず、燃えた範囲は全体の10分の1程度にとどまった。
山焼きに先立ち約600発の花火が打ち上げられ古都の夜空を彩った。ほら貝とラッパの合図で消防団員ら約300人が山肌に一斉に点火したが、燃え広がらなかった。
山焼きは1900年から続く伝統行事で、山頂付近にある鶯塚古墳の被葬者の霊魂を鎮めるため山に火を付けたのが始まりとの説がある。