アフガニスタンで医療・農業支援をする福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」は3日、現地代表だった故・中村哲医師が会設立の1983年以来執筆してきた会報をまとめた本を発行した。設立40年記念事業の一環。同日、市内で現地での活動を報告する会も開いた。

 本のタイトルは「中村哲 思索と行動」。日本の支援者向けに発行される会報の2001年分までを「上巻」としてまとめた。中村氏がペシャワルで、ハンセン病患者らを治療していた初期から、アフガニスタンで井戸掘りを始めた時期に当たる。

 中村氏の後を継ぎ、現地組織の総院長となった村上優医師(73)は「今後の活動の指針になる本」と語った。