古事記で「あの世」と「この世」の境界として描かれる黄泉比良坂。その伝説の地とされる松江市東出雲町揖屋に、亡くなった大切な人に宛てた手紙を投函できるポストがある。地元の団体が2017年に設置。年に一度、寄せられた手紙を火にくべ、書き手の思いを天国に届ける「たき上げ」も行っており、今年は6月18日の予定だ。

 ポストの設置は、地元在住の森山建二さん(76)の発案がきっかけ。タクシー運転手を務めていた頃に、乗客を黄泉比良坂に運び、亡き人に思いをはせる姿を目にしてきた森山さん。残された人たちの心を癒やそうと、黄泉比良坂を管理する「黄泉比良坂神蹟保存会」と協力して実現した。