オーストラリアの博物館などで80年以上前から保管され、6日に現地で日本側へ返還されたアイヌ民族の遺骨計4体が8日、北海道・新千歳空港に到着した。うち3体は白老町の施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の慰霊施設に移される。残る1体は南樺太で発見されたもので、樺太アイヌの子孫らでつくるエンチウ遺族会が引き渡しを希望しており、一時的に北海道大で保管する。

 内閣官房アイヌ総合政策室によると、遺骨は1911〜36年、東京帝大医科大の故小金井良精名誉教授らがオーストラリアの博物館などに寄贈した。オーストラリア側が2017年、遺骨の存在を日本側に通知し、政府間で返還交渉を進めてきた。