北方領土・歯舞群島の貝殻島周辺で1日、ロシア側に入漁料を払って行うコンブ漁が解禁され、北海道根室市内の漁協に所属する船団が一斉に出漁した。北海道水産会によると、漁期は9月末までで、204隻が操業を予定している。

 午前7時、根室市の納沙布岬沖に集まった船団が花火の音の合図とともに、約3.7キロ先の貝殻島付近の漁場へ。岬では漁業関係者らが旗を振って漁船を見送った。この時期に採れるコンブは「棹前昆布」と呼ばれ、柔らかくおでんや煮物に適している。

 貝殻島周辺はコンブの好漁場で、戦後、旧ソ連側に拿捕される漁船が相次ぎ、安全に操業できるよう1963年に民間協定を結んだのが漁の始まり。