神戸市の路上で2010年に私立高2年堤将太さん=当時(16)=を刺殺したとして、殺人罪に問われた当時17歳の男(30)=愛知県豊山町=の裁判員裁判が9日、神戸地裁(丸田顕裁判長)で開かれ、弁護側請求で男を精神鑑定した医師の尋問が実施された。男には当時精神疾患があったとされるが、医師は精神障害は見られず「統合失調症を装った詐病の可能性が高い」と述べた。

 尋問で医師は、男が事件前に高校時代の交際相手だった少女や不良少年を憎み、不良に見えた堤さんも憎んだなどとする供述について分析。自身に不利益な事実を語ろうとせず、刑事責任能力が減免される方向に変遷していると指摘した。