こだわりの原料を使ったのりつくだ煮や中華総菜、食べるラー油など、食卓にあると箸が進む瓶詰商品で知られる。(共同通信=川村剛史記者)

 1920年、食品問屋で働く小出孝男(こいで・たかお)が東京で「桃屋商店」を創業。甘酢漬けで食べやすい花らっきょうなどの瓶詰、缶詰商品の製造を始め、売り上げを伸ばした。

 戦後に原材料統制が解除され、1950年にのりつくだ煮「江戸むらさき」を発売。人工甘味料を加えず、国産のりや砂糖、しょうゆを使って風味を引き出し、人気を集めた。

 看板商品の「ごはんですよ!」は1973年、子どもが食べやすい商品として開発。「伊勢湾などのアオサノリを厳選し、煮込み時間を短くしてとろりとした食感を実現しました」(担当者)

 「味付メンマ」と「味付☆(木ヘンに搾のツクリ)菜(ザーサイ)」は1968年に発売。中華瓶詰の普及に一役買った。1975年発売のロングセラー「キムチの素」は、キムチ漬けが手軽にできると話題に。2009年の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は、ほどよい辛さと香ばしさでヒットし、食べるラー油ブームの火付け役となった。