岸田文雄首相は23日午前、インドと欧州2カ国歴訪を終え、チャーター機で羽田空港に到着した。ウクライナ侵攻の現場を目の当たりにしたとして「ロシアの侵略は暴挙だと痛感し、法の支配に基づく国際秩序を堅持しなければならないとの思いを新たにした」と官邸で記者団に語った。今回の経験を踏まえ、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の準備を進めると強調した。

 首相はインド訪問後、安全確保を理由に直前まで公表せずポーランド経由で紛争地ウクライナの首都キーウ(キエフ)に入る異例の経過をたどった。

 参院予算委員会は午後、集中審議を実施。首相は冒頭、ウクライナ訪問について「G7議長国を務める日本として、ウクライナ侵略への対応を主導する決意を示すことができた」と説明。ゼレンスキー大統領との会談を通じ、2国間関係が強固になったと述べた。

 同時に「こうした惨劇を繰り返さないために、ロシアによる侵略を一刻も早く止めなければならない」と表明。日本らしい、きめ細かい支援が重要だと実感したとも話した。