参院外交防衛委員会で30日、防衛産業支援に関する法案の参考人質疑があり、防衛装備品移転を拡大すれば日本を「死の商人」に変えかねないとした参考人の政府批判発言を、自民党と日本維新の会の議員が「レッテル貼り」などとして問題視した。自民と維新は、防衛装備品の移転推進が必要だとする立場。参考人は反論した。

 「死の商人」は、軍需産業に携わる投資家や企業を批判的に取り上げる際に用いる表現。武器を売る側にとって、戦争は巨大な利益をもたらす機会になるとの見方に基づく。防衛装備品移転を考える上で「死の商人」批判の視点を持つ必要はないのかどうか、議論になりそうだ。

 参考人として発言したのは、市民団体「武器取引反対ネットワーク」の杉原浩司代表。防衛装備品移転に関する政府と与党の動きに触れ「平和国家から死の商人国家への堕落だ」と指摘した。戦争放棄を掲げた憲法9条の精神に基づき、他国への軍事協力をやめるべきだとも主張した。