NHKがネット配信できる番組の範囲を定めた実施基準で認められていない費用約9億円を23年度予算に盛り込んでいた問題で、予算案策定当時にNHK会長だった前田晃伸氏(78)は1日、「(来年3月に)BS放送を1波削減するのだから、サービスの質の低下を招かないために先を見据えて準備をするのは当然のこと」と話した。共同通信の取材に答えた。

 同日、NHKの稲葉延雄会長は衆院総務委員会理事懇談会に出席して陳謝し、経緯を説明した。

 問題となったのは、同時配信サービス「NHKプラス」にBS番組を加えるための設備調達などの予算。前田氏は「認可されてから準備をするのでは遅い」との認識も示した。