【シンガポール共同】浜田靖一防衛相は3日、中国の李尚福国務委員兼国防相とシンガポールで会談し、防衛当局間の意思疎通を継続する考えで一致した。一方で浜田氏は、中国軍とロシア軍が日本周辺で連携して継続している共同活動に重大な懸念を伝え、沖縄県・尖閣諸島を含む東・南シナ海情勢にも深刻な懸念を示した。李氏は、台湾問題は中国の内政問題だとして、干渉しないようけん制した。

 日中防衛相の対面会談は昨年6月以来で浜田、李両氏の間では初めて。一方、日本と米国、オーストラリア、フィリピンの4カ国は3日、4カ国防衛相会談を初開催し、中国の海洋活動への対応を念頭に安全保障協力を進める方針で一致した。

 浜田氏は日中会談の冒頭「日中には尖閣を含む安全保障上の多くの懸念が存在する。だからこそ、率直な議論を重ねることが重要だ」と指摘。李氏は「両国防衛関係の安定的な発展に努力したい。台湾問題は完全に中国の内政問題であり、手を出さないよう希望する」と求めた。浜田氏はこの後、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した。