外国人の収容・送還のルールを見直す入管難民法改正案が8日、参院法務委員会で、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決された。改正案は9日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立する見通し。法務委では、難民の保護を目的とした対案を提出している立憲民主党や共産党などの野党は審議が不十分だとして採決に反発。職権で踏み切った杉久武委員長(公明党)に詰め寄るなど強く抗議した。

 改正案は、不法滞在などで強制退去を命じられても送還を拒む外国人の退去を進め、入管施設への長期収容を解消するのが狙い。入管当局は、送還を逃れる意図で難民申請を繰り返すケースが多いとみており、3回目の申請以降は「難民認定すべき相当の理由」を示さなければ送還するとした。本国で迫害を受ける恐れがある人を帰してしまうとの懸念が根強い。

 また、認定基準に満たなくても、紛争地域の住民らを難民に準じる「補完的保護対象者」として在留を許可。収容長期化を防ぐため「監理措置」を新設し、支援者ら監理人の下で社会での生活を認める。