26日投開票の静岡県知事選では、リニア中央新幹線静岡工区への対応が大きな争点だ。6候補の主張は工事推進、中止などそれぞれだが、環境への影響を懸念して着工を認めなかった川勝平太前知事(75)が長く支持を集めていたこともあり、環境への配慮を意識した訴えが目立つ。

 推進を掲げるのは、諸派新人の政治団体代表横山正文氏(56)、いずれも無所属新人で立憲民主、国民民主両党が推薦する元浜松市長鈴木康友氏(66)、自民党が推薦する元副知事大村慎一氏(60)、会社社長浜中都己氏(62)の4氏だ。

 横山氏は「一刻も早く開通させなければならない」と主張。鈴木氏は、工事と水資源や環境の保全を「両立しなければならない」と強調する。大村氏は「流域の声を反映させ、環境保全にも取り組む」とアピール。浜中氏は、国の補償を前提に推進する立場だ。

 一方、共産党県委員長森大介氏(55)は「都市間を高速で移動する必要性がなくなっている」として、工事中止を掲げる。無所属新人の自営業村上猛氏(73)は工事の根本的な精査を主張する。