川勝平太前知事の辞職に伴う静岡県知事選は26日投開票され、立憲民主、国民民主両党が推薦した無所属新人の元浜松市長鈴木康友氏(66)が、自民党推薦で無所属の元副知事大村慎一氏(60)ら計5新人を破り初当選を果たした。川勝氏が静岡工区の着工を認めてこなかったリニア中央新幹線に関する県の政策は転換される見通しだ。投票率は52.47%で、前回2021年の52.93%を0.46ポイント下回った。

 自民は全敗した4月の衆院3補欠選挙に続く大型選挙での敗北で、岸田文雄首相の政権運営に痛手となった。派閥裏金事件による逆風が響いた。立民、国民は次期衆院選に向けて弾みにしたい考えだ。

 立民の大串博志選対委員長は「自民党が裏金問題で政治不信を深める中、国政上も大きなインパクトを持つ結果だ」と党本部で記者団に述べた。自民の小渕優子選対委員長は「県民の審判を真摯に受け止めたい」とのコメントを発表した。

 リニアに関し、鈴木氏は26日「現状を把握して、いろいろな課題に対応する。自然環境の保全の問題はきちんとやる」と強調した。