政府は11日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」案を公表した。人口減少が深刻化する中でも社会保障を持続させるため、実質国内総生産(GDP)の成長率が1%を安定して上回る経済をあるべき姿として提示。物価を上回る賃上げによるデフレ完全脱却に向け「あらゆる政策を総動員する」と強調した。

 財政健全化を巡っては、歳出歳入から借金(国債)に関わる部分を除いた基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化する現行目標を堅持する一方、26年度以降は取り組みを後戻りさせない姿勢を示すにとどまった。21日の閣議決定を目指す。

 会議に出席した岸田文雄首相は「今こそ新たな経済ステージに向けて歩みを進める時だ」と述べた。

 1%超の経済成長は人口減少が加速する30年代以降でも財政や社会保障を持続させるために必要な条件として掲げた。実現に向けて成長分野に人材や資金を集中させて企業の生産性を向上させ、高齢者や女性の就労環境を改善させるとした。