東京五輪で史上最多の男女計9個の金メダルラッシュに沸いた柔道で、日本人としてただ一人の審判員を務めた女性がいる。世界中から16人に選ばれた天野安喜子(50)さんは主審として個人戦最終日の男子100キロ超級決勝を含め、約40試合を裁いた。栄えある畳に立ち「いい集大成を迎えられた」と語った。

 身長153cmと小柄ながらきびきびとした動作に、毅然とした表情はすがすがしい。競技初日の第1試合から主審を任された。無観客となったが、静寂の中で「逆に集中できた」。一方で運営に関わる関係者と試合の合間に交わす何げない会話で「心を穏やかに保つことができた」と振り返った。