江戸時代末期に大阪で活躍した医師、緒方洪庵が残した薬瓶の中身を、物質を通り抜ける素粒子「ミュー粒子」を当てることでふたを開けることなく特定できたと、大阪大の高橋京子招へい教授(生薬学)らのチームが11日までに日本生薬学会が発行した英文科学誌に発表した。

 中身は当時、下剤として使われた塩化水銀だった。鉛ガラス製の瓶はふたが閉まったまま劣化し、無理に開けると壊れる恐れがあった。高橋さんは「過去の資料には現代にも役立つ治療のヒントが隠されているはず。今後も医療文化財の分析を進め、後世に伝えたい」と話した。

 分析は茨城県にある加速器施設J―PARCで実施した。