【ワシントン共同】米軍は5日までに、南部サウスカロライナ州沖の領海上で4日に撃墜した中国の偵察気球の残骸回収作業を始めた。中国の情報収集活動を把握するための資料価値があるとみて捜索を継続、連邦捜査局(FBI)と連携して解析を急ぐ。

 国防総省によると、気球の残骸は周辺約11キロの海域に散らばった。海軍と沿岸警備隊の複数の艦船が4日から現地で捜索に当たり、残骸の一部が海上に漂っていたという。

 米軍当局者は4日、気球の残骸について「機密情報として価値がある。気球やその装備を調査、研究することができる」と記者団に語った。回収活動は順調に進むとの見通しも示した。

 米軍はサルベージ船も現地に派遣する。必要に応じてダイバーや海底探査のための無人機の活用も検討している。

 国防総省によると、米軍のF22戦闘機が空対空ミサイル「サイドワインダー」1発を使用し、4日にサウスカロライナ州沖約11キロで偵察気球を撃ち落とした。

 連邦航空局はノースカロライナ、サウスカロライナ両州の空港で一時、発着便の飛行停止命令を出した。