トルコで28日、大統領選の決選投票が行われ即日開票された。第1回投票で首位だった現職エルドアン大統領と、2位の野党統一候補クルチダルオール氏の一騎打ちで、約20年にわたる長期政権の是非が問われる。アナトリア通信によると、開票率約90%の段階でエルドアン氏がリードしているが、約5ポイント差で野党候補と接戦になった。

 エルドアン氏は投票後「(決選投票は)トルコの民主主義で初めてだ。投票に参加してほしい」と呼びかけ、クルチダルオール氏は「国民の良識を信じている」と訴えた。

 エルドアン氏はロシアのプーチン大統領と緊密な関係を築き、ウクライナ侵攻後も経済、エネルギー分野の連携を深めた。欧米重視のクルチダルオール氏に政権交代すれば、トルコはロシアと欧米との関係を巡り、やや欧米に近づく可能性がある。

 トルコはエルドアン政権で生活水準が向上したが強権化も進んだ。高インフレが市民生活を圧迫し、反発も多い。変革を求めるクルチダルオール氏はワンマン政権の打倒と民主主義の再建を訴えてきた。