北朝鮮の朝鮮中央通信は31日、国家宇宙開発局が同日午前6時27分(日本時間同)、北西部東倉里の西海衛星発射場から軍事偵察衛星を打ち上げたと報じた。ロケットの2段目のエンジン点火に異常が発生し朝鮮半島西方の黄海に墜落する「事故」が起きたと説明、失敗を認めた。可能な限り早期に再打ち上げを断行するとしている。日本政府は同6時半、沖縄県を対象にJアラートで北朝鮮がミサイルを発射したもようと速報、その後、日本に飛来しないとみられると発表した。岸田文雄首相は「弾道ミサイルと思われるものが発射された」と述べた。

 日本政府は、北朝鮮のミサイルとみられるものは同6時35分ごろ黄海上空で消失し、宇宙空間には到達していないと明らかにした。韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮の「宇宙発射体」は韓国西部・於青島の西方約200キロの海上で異常飛行し、落下したと明らかにした。

 北朝鮮は31日午前0時から6月11日午前0時までの間に打ち上げると予告していた。国家宇宙開発局は31日の衛星打ち上げで「重大な欠陥」が現れたとした。