【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は6日、ウクライナ南部の巨大ダム決壊に関する緊急公開会合を開いた。欧米はロシアのウクライナ侵攻が決壊の根本的原因だとしてロシアの責任を追及した一方、ロシアはウクライナ側の関与を主張した。決壊の原因が不明な中で非難の応酬となり、国際社会の亀裂が改めて鮮明となった。国連高官は洪水被害に懸念を示し、ダムへの攻撃は「国際人道法違反に当たる」と強調した。

 グテレス事務総長は会合に先立ち「人道的、経済的、環境的にとてつもない大惨事」だと憤りを記者団に語り、「市民と民間インフラへの攻撃を止めなければいけない」と訴えた。

 会合では、日本や欧米はロシアのウクライナ侵攻がダム決壊につながったと批判し、ロシア軍の撤退を改めて要求。英国のカリウキ国連次席大使はロシアが民間施設への攻撃を繰り返してきたと前置きし「ダム決壊の責任が証明されれば、品位の低さを新たに示すことになる」と述べ、卑劣な行為だと強く非難した。