【キーウ共同】ウクライナ南部ヘルソン州で6日に起きたカホフカ水力発電所の巨大ダム決壊による洪水は7日、ドニエプル川の水位がさらに上昇し、ピークに達したとみられる。被災住民は約4万人とも推定され、州都ヘルソンでは組織的な避難や救助が間に合わず取り残された人がいるもようだが、被害の全容は不明だ。

 国際原子力機関のグロッシ事務局長は6日、ダムから冷却水を取るザポロジエ原発に来週、自ら派遣団を率いて向かう考えを示し、「原子力の安全性にとり重要な時だ」と表明した。

 ダムの水は水道やかんがいにも使われており、市民生活や農業生産への悪影響が長期的に続くと懸念されている。

 水力発電所があるロシア支配地のノバカホフカ市は7日、少なくとも7人が安否不明になっていると発表。タス通信は7日、ロシア側当局者の話として、同市の一部で導入されていた非常事態を州全体に拡大したと伝えた。

 トルコのエルドアン大統領は7日、ウクライナのゼレンスキー大統領、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ダムの決壊に関して、国際調査委員会の設置を提案した。