ロシアのプーチン大統領は9日、ウクライナ軍の大規模な反転攻勢が「間違いなく始まった」と指摘した。ロシア側の応戦によりウクライナ側は「どの戦線でも目標を達成できていない」と強調し、撃退に自信を見せた。ウクライナが予備兵力を投入しているとの見方を示し、反攻が続くとみて兵器増産を急ぐと表明した。訪問先の南部ソチで国営テレビに語った。

 プーチン氏は、激しい戦闘が既に5日間続き、特に最近2日間は一層激化していると指摘。攻勢をかけるウクライナ側に、ロシア側の3倍を上回る「著しい損失」を与えたと主張した。こうした「悲劇」を招いた原因はゼレンスキー政権にあると批判。ウクライナ軍が攻撃能力を依然保持していると警戒感も示した。

 ロシアでは「軍産複合体が急速に発展している。防衛部門の全ての課題達成に向け、最新兵器の集中的な増産が進んでいる」と強調した。ショイグ国防相らは、頻繁に軍需工場を視察して発破をかけている。

 ウクライナ軍は領土奪還に向け、東部ドネツク州や南部ザポロジエ州の各方面で進軍を図っている。