地球温暖化による気温上昇が続き、2040年に世界の平均気温が産業革命前より2度上昇すると仮定すると、夏場の熱中症による救急搬送者数が東京、愛知、大阪の3都府県で10年代と比べて倍増するとの試算を、名古屋工業大などのチームが18日までに発表した。救急医療の逼迫が懸念されるとしている。

 チームは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最も気温上昇が高いシナリオに基づき、3都府県の気温を算出。熱中症の搬送者数を予測した。40年には東京都の平均気温が約1.6度上昇し、7〜8月の1日当たりの平均搬送者数は東京が132.9人、愛知が105.4人、大阪が105.3人で、13〜19年の平均の1.8〜2倍となった。

 熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体内に熱がこもって発症する。高齢者は発汗などの体温調節機能が若年者に比べ低下しているため、重症化率が高い。40年の平均気温が現在と同等だとしても高齢化が進むため、熱中症搬送者は1.2倍程度増えるという。