ロシアのプーチン大統領は12日、国防相を務めたセルゲイ・ショイグ氏を交代させ、第1副首相だったアンドレイ・ベロウソフ氏を新たな国防相に任命する人事を上院に提案した。ショイグ氏は同日の大統領令で安全保障会議書記に任命された。タス通信が伝えた。安保会議は大統領が議長を務める安全保障問題の最高政策立案機関で、盟友ショイグ氏を自身の補佐役に置く。

 ウクライナ侵攻の長期化を視野に、経済発展相などを歴任した経済官僚のベロウソフ氏を国防相に据えて経済と軍事の一層の連携を図る。軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は留任し、継続して作戦指揮を担う。

 ショイグ氏は軍需産業分野を統括する政府軍事産業委員会の副議長を兼務。プーチン氏はウクライナ侵攻継続に向けた軍備強化などを引き続き担当させるが、戦況停滞や悪化による批判から守る意図もうかがえる。

 国防相への任命提案についてペスコフ大統領報道官は、無人機などが多用される現状を念頭に「国防省は技術革新に対しオープンでなければならない」と説明した。