【サンパウロ共同】アルゼンチンのミレイ大統領が、スペインのサンチェス首相の妻を「汚職に手を染めた」と暗に侮辱し、スペイン政府が駐アルゼンチン大使を召還して外交問題に発展している。ミレイ氏は謝罪を拒否。関係の冷え込みは長期化する可能性がある。

 報道によると、右派のミレイ氏は19日、スペインの首都マドリードで極右政党の集会に出席。名指しを避けながら「汚職に手を染めた妻がいると自分も汚れ、(辞任するかどうか)5日間考えることになる」と発言した。

 4月24日に汚職の疑いでサンチェス氏の妻への予備捜査が始まり、辞任を検討したサンチェス氏がその5日後、続投を表明したことをやゆしたのは明らかだった。

 サンチェス氏は穏健左派政党を率いており、ミレイ氏とは政治的な溝もある。スペイン政府は発言を受け、すぐさま大使召還を発表し、ミレイ氏に謝罪も要求した。「尊厳を守るためにあらゆる措置を取る」と一歩も引かない構えだ。

 ミレイ氏は5月21日、地元メディアの取材に、大使を召還したスペインの対応は「ばかげている」と批判した。