【ブリュッセル共同】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は24日、イスラエルに対してパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの攻撃の即時停止などを命じる仮処分(暫定措置)を出した。イスラエルへの国際的な圧力が強まるのは必至だが、ICJには強制的に執行する手段はなく、イスラエル軍に戦闘を停止させるのは困難とみられる。

 ロイター通信によると、イスラエル軍は仮処分が出た後もラファへの攻撃を続けた。イスラム組織ハマスは仮処分を歓迎する声明を出し、ガザ全域で侵攻と虐殺を止める命令を出すよう期待すると述べた。

 仮処分は、南アフリカが今月10日に申請した。ICJは攻撃停止のほか、講じた措置の1カ月以内の報告、ガザ地区への調査団の自由な立ち入りの確保、人道支援物資の供給のためにエジプト境界のラファ検問所の開放維持を命じた。

 ラファの「人道状況が悪化している」と指摘し、イスラエルのラファでの対応が十分ではないとの認識を示した。

 南アは昨年末、ガザへの大規模攻撃がジェノサイド(民族大量虐殺)条約違反に当たるとして提訴した。