自然の恵みや生物多様性を学ぶ「田んぼの学校」が、京都府南丹市園部町仁江の水田で始まった。参加した親子は田植え体験に加え、栄養を運ぶ水の重要性や周りに生息する多くの動植物について知った。

 酒米やもち米を原料に使う酒類大手の宝酒造(京都市下京区)が2004年から取り組む。この日の田植えに始まり、7月の草取り、9月の収穫を経験してもらう。小学3〜6年生と保護者が対象で、今回は京阪神の20家族約60人が集まった。

 田植え体験の前に、自然観察指導員が上流の川から養分を含む水がもたらされていると解説し、周囲に生えるサンショウやドクダミを紹介した。子どもたちはあぜにいたヘビに驚いたり、カエルやイモリを捕まえたりして豊かな自然に触れた。

 下京小3年の男子児童(8)は「田んぼの周りは緑がいっぱいだった。稲の栄養になるので、水は大事だと思った」と話した。